薄紅色Distortion



「おっす、ヒロにユウジ」

「おー、カナ」

「うわ……カナ」



なんかコソコソしてる奴らがいると思ったら、ヒロとユウジだった。
安定の仲良しだな、キミらは。



「なにしてんの?面白いこと?つかヒロ超失礼なリアクションだなオイ」

「……っカナには関係ないよ!」

「まじか」



相変わらず冷たいリアクション。
でもすっかり慣れっこだわ。

水色のサラサラヘアーをわしゃわしゃやったったら、イヤそーに見上げられた。

おうおう。反抗期か。



「カナは何してたんだ?」

「え、おれ?別になんかしてたっつーか……あー、散歩を少々?」

「相変わらずダメダメな趣味だよね」



つっこまれた。

思わず笑いが溢れる。
一通り笑ってから、改めて二人に向き合った。



「で、まじなにしてたん?つか、聞かない方が正確か?」

「いや、……そういうワケじゃないんだが……」

「……っ」



ユウジがチラリとヒロに視線を投げたのに気づく。

なんとなく、コレは聞かん方がいい空気だな。

咄嗟にひらひらと手を振って笑う。



「あ、おれソーイチローに用があったんだわ。邪魔して悪かった……っつぁぁぁ!ちょ、いてぇいてぇ!!」



方向転換して歩きだしてすぐに、一つに束ねてる癖ッ毛を後ろから思いっきり引っ張られた。

掴んでる本人は何か微妙な表情をしてるし。



「ヒロ。なんかしたなら謝るし、と、とりあえず離してくんね……?」

「……っカナの好きな色ってなに……っ?」

「すきな、いろ?」



唐突な質問に思わず変な態勢のまま尋ね返した。

次第に紅く染まるヒロの白い頬を見つめて、疑問が渦巻く。

なんか、よくわからんが。



「……薄紅色かな?」



「へ?」



ゆるっと笑って。



「ピンク、ってこと」



その色を示す頬をつんとつつく。



「……っ?ばっ、ばっかじゃないの?!」

「えぇぇっ?」



そのまま走り去ってしまったヒロの後ろ姿を見送ったあと、呆然と立ってるユウジに向き直る。



「……なんか、わり。話してたんに」

「……いや、……つーかお前……恐ろしいヤツだな……」

「え、なにが?」










――――――――――
♂主に片思いなヒロはユウジに相談中だったとかなんとか。
(12/9/19)

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