銀杏のワルツ




「なっちゃーん」

「あ、ユラちゃぁんっ」



ぎゅっと互いに抱き締め合えば、なっちゃんから体温のお裾分け。

ほんのり涼しくなってきた秋の夜。
やっと心置き無くなっちゃんとギューできる季節がやってきた。



「お疲れさま!収録だったの?」


少しだけ身を離して尋ねたら、ふわふわした笑顔が返ってくる。
コレは、楽しくて、うれしいときの顔だ。



「はい、今日は翔ちゃんと一緒でした」

「そっかぁ、いいなー。私もなっちゃんと一緒がよかったよ」



ふくれて見せたら、またギュって抱き締めてくれる。



「ユラちゃんっ、カワイイ!」

「なっちゃん……!」

「つーかオマエラ!俺を無視していちゃついてんじゃねぇぇぇ!!!」



べりっ、と音がしそうなくらいの勢いで、傍にあった体温が引き離される。
背中に回していた腕のカタチのまま翔君を見れば、呆れたような表情。

もー、翔君は意地悪だな。



「なによー?翔君、寂しかったの?」

「ちげーよ!!」

「はいはい、翔ちゃんもギューっ」

「いででででっ!ばか!離れろ那月!!しかもその「仕方ないなぁ」的な言い方やめろ!!!」



相変わらず二人はなかよしさんだ。
ちょっとヤキモチ妬いちゃうけど、翔君はなっちゃんの大事なお友達だから。

でも、やっぱり羨ましいの!



「なっちゃん」



服の裾を軽くひっぱると、すぐにこっちを振り向いてくれる。



「私ももっとギュー、して?」



「……!はいっ」



なっちゃんに抱き締められると、あったかくて、幸せ。

これからも、ずっと離さないでねっ。







「……だからオマエラ、もっと自重しろーっ!!!!」










――――――――――
翔ちゃんのツッコミ書きたかっただけ。
(12/9/19)


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