波風グラディション
「ヒジリ。この際ハッキリさせておこうじゃない、オチャヅケとタクトと私、誰がいちばん好きなのか」
「いや、選択肢おかしくね?」
「だってアンタ、オチャヅケとタクトに構いすぎでしょ!」
私がそう言えば、ヒジリは困った様に首を傾げた。
シラを切る気か。
コイツときたら、暇さえあれば猫か猫っぽいタクトを弄ってやがるんだもの。
「俺が女のコ好きなの知ってるっしょ。第一いくら弄って楽しんでるっつってもタクトとか男だぜ?」
「男同士なら浮気にならないと思ってるの?」
「えぇぇぇ……?まじでか?」
もし、万が一、タクトがヒジリのこと好きになったらどうするの。
私、勝ち目ないじゃない。
タクトときたらツンデレだし肌スベスベだし髪サラサラだしなんか可愛いしツンデレだし……!
「なんで二回ツンデレ言ったワケ?」
「ヒジリ、ツンデレ好きでしょ。てか人の心読まないでよ!」
「いや完全に口に出てるだけなんだけどォォ……!!!」
とにかく、そう。
「もっと私に構ってよ!!!」
全力で飛びついてやったら。
よしよし、と頭を撫でられた。
「最初から素直に甘えてこいって」
「なっ」
「俺がいちばん好きなんはユラだってこと、いつでもその体に教えてやんよ」
「……〜っ」
そんなエロかっこいいヒジリがだいすきだよ!!!
――――――――――
ただ冒頭の質問がしたかっただけ。
(12/8/29)
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