ファミリア!


(※トリップ&万屋居候設定)




「暑い溶ける暑い溶ける暑い溶ける暑い溶ける暑い溶ける暑い溶ける……」

「ちょ、ユラチャン?怖いからそれ、なんか呪いの呪文みたいだからそれ」

「………銀さん。私、たぶん夏越せな………あ、おばあちゃんだぁ〜わーい久しぶり〜……」

「しっかりしろォォォッ!!オマエのばあさんはきっと極楽で茶ァしばいてっから!!こんなとこいるはずないからァァァッ!!!」


 ―――……。


あー…生き返る。


「…銀さん。私、やっぱバイトし…」

「ダメだ。…ユラは他所で愛想とか振り撒かなくていーの、銀サンにだけニコニコしてくれてりゃいーの」


空調の効いたファミレスでイチゴパフェを頬張る銀さんは、頑なに私が働こうとすることを拒む。

けど流石に故障したエアコンの修理費も払えないとかやばすぎるでしょ。

それもう(私らの)生命存続の危機に関する問題よ?

目の前のチョコアイスを口に含むと、冷たさがじんわり全身に染み渡る気がする。


「うーん、どうしよっか?土方さん」

「……テメェ…人を呼び出しといてなんの悪ふざけだコレは」


とりあえず代金支払いの為だけに来てもらった土方さんに視線を向けたら、スゴイ形相で睨まれてしまった。

怖いよ。


「…!そんな…私はただ夏の風物詩を土方さんと味わえたらって…」

「ちょっとーウチの可愛いユラチャン虐めないでくんなーい?」

「グスッ…土方さんの…い、意地悪ぅ…」

「なっ…泣くなユラ!まじで俺が虐めてるみてぇじゃねぇか!」


わざとらしく嘆いてみせたら銀さんがノってくれる。
そしたら土方さんも天然でノってくれた。

ノリのいい人達ばかりだ。

今後のことなんてイッコも解決してないけど、今が楽しすぎて、私は自然と笑顔になる。


「ごめんなさい、土方さん。泣いてないよ。……でも一緒にアイス食べたかったのはホントだから奢ってくださいお願いします」

「…オマエなぁ…。…ったく、今回だけだからな…」

「ありがとう!!」


クシャリと頭を撫でられて、素直にお礼の言葉が口から零れた。


「ありがとねー多串クン」

「テメェは自腹だ天パヤロー」

「えぇ!ヒドイ…!銀サン泣いちゃう!!」

「アホか!!!」



でもほんととりあえず、エアコンどうしよう。








――――――――――
最近暑すぎます。まじ溶ける。
(11/06/18)


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