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第十八話「開始」
ヒジリ君と視線がぶつかった、その時だった。
轟く警鐘。
赤の襲来がはじまったんだ。
「……っユラ!俺から離れんな……」
「ヒジリ君はこのフロアの一般客の避難誘導に回って!私は第三エリアの方に行くから!」
「……お前、まさか……。……今はそれどころじゃねぇか……、っ怪我すんなよ……!」
「お互いね」
犠牲をゼロにするなんて、ライダーでもない私にそんな力ない。
でも、出来ることは全力でやらないと。
ヒジリ君に背を向けて、甘粕君と確認した避難ルートを頭に思い浮かべながら、私は廊下をひた走った。
(12/8/18)
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