eally?
「今日からお前は俺の女だ」
「は?」
もう一度言ってもらえますか。
私の通う学校には、「王様」と呼ばれるそれはそれは大層なお方がいらっしゃる。
彼の名前は跡部景吾クン。
一般庶民である私が話したことなど、勿論ない。
それなのに。
今日と言う日に生徒会室へ呼び出されたと思ったら、初対面の彼に意味の分からないコトを言われた。
もう一度言おう。
跡部クンとは初対面だ。
「あーん?聞こえなかったのか?」
「いや聞こえなかったというか理解出来なかったというか……」
フカフカのソファに座らせて頂いてるからか、何だか腰が落ち着かない。
自分の上履きを見つめたまま、私は跡部クンに尋ね返した。
「……チッ、鈍いヤツだな」
あれ、なんかバカにされたっぽい。
だけど、口に出す勇気なんてサラサラないので、少しだけ視線を上げる。
難しそうな書類が並ぶ本棚を睨んでいた彼は、私の視線に気づいたのか、此方を見やった。
とりあえず、姿勢を正す。
「あ、の……」
「俺はお前に惚れたんだ。だから、沙紀も俺を好きになりな」
「は、ぁ……?」
「何だその返事は」
跡部クンが綺麗な形の眉を潜める。
「私、跡部クンとは、恐らく初対面かと……」
「俺は、お前を知っていた」
「……え、ストー……」
「違ーよ、バカ」
うわ。跡部クンからバカって言われた。
なんとなくレアな気がして、感動していたら、彼は僅かに考える仕草を見せた。
だがすぐに、いつもの王様態度へと戻る。
「何度も同じことを言うのは好きじゃないが、沙紀になら何度でも同じことを言ってやる」
美しいまでの瞳が、私を捕らえる。
「沙紀が好きだ。愛してる。だから俺の女になれ」
頭の中がショートして、上手く働かない。
だから私は、貴方の愛に甘えて、馬鹿みたいに繰り返すんだ。
その愛の言葉。
もう一度言ってもらえますか。
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よくわからなくなりました(爆)
(11/10/07)
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[mokuji]