aleidoscope...
くるくる。
きらきら。
変わり変わる。
君の表情が、だいすき。
「沙紀〜!海、行くさぁ!」
「え、」
振り返ったときには既に褐色の腕に手を取られて。
「ちょ、か、甲斐君……っ?」
引っ張られ走りながら、彼の名前を呼べば、太陽の様な笑顔が返ってくる。
「校門のトコで凛達も待ってるしよーっ。今日の放課後の練習、なくなったんばぁよ!」
あ。そういえば、乙女チャン、午後から出張になったって木手君が言ってたっけ。
「沙紀、まだウチナー来てから海行ってないって言ってたろ?」
「う、うんっ、そう、だけど……」
走りながら話さないで欲しい。
私の手を引きながら、校門に向けて廊下を疾走する甲斐君。
すれ違う生徒達が不思議そうに此方を見送る。
「私っ、水着とか持ってきてないし……、!!」
……ドンッ!!!
「ぶふぉっ、……な、き、急に立ち止まらないでよぉ……」
思いっきり甲斐君の背中に激突してしまった。
変な声でたし。
元凶である彼を覗き込めば、真っ赤な顔を隠すように手で口を覆っている。
「……え?なに??」
「……水着は、俺と二人っきりのときにだけ、着てほしいさー……」
「……」
なんだろう。
このこっ恥ずかしい感じ。
つられて私まで紅くなってしまう。
振り返った甲斐君が、照れたように笑った。
「沙紀のほっぺ、アカバナーみたいに真っ赤やっし」
それはこっちの台詞だよ!
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沖縄いきたい
(11/10/05)
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