青の行方
君と過ごしたあの夏を、きっと忘れない。
―――……。
いま私たち、無人島改め、跡部財閥の所有するテーマパーク建設予定地の無人島(あ、やっぱ無人島じゃん)にいます。
氷帝の跡部主催で行なわれる予定だった合同合宿に向かう途中、乗っていた船が難破して流れ着いたこの島。
結局のトコロ、全ては選手の協調性や精神力を鍛える為の、いってしまえば只のドッキリだったんだけど。
様子が変だと、幸村は途中から気づいてたみたいだ。
なんで教えてくれなかったのかと聞いても、笑って流さてしまう。
恐竜みてハシャいじゃったじゃん私。
皆にもネタバレされたがあったその日の夜のことだ。
急遽、今回のなんちゃってサバイバル体験に巻き込まれた二人の女の子の送別会が開かれ、宴も酣になってきた頃。
「跡部…、こういう事は事前に説明しとけっつの」
「恐い顔してんじゃねーよ、黒河」
私はロッジの近くで優雅にオレンジジュースを飲んでいる跡部を捕まえていた。
「あのねぇ、そりゃそんなヤワじゃないけど…幸村は、病み上がりなんだから…」
「…あぁ、そうだったな。しかしあの様子じゃ完全復活も間近…って感じじゃねぇの」
「だから今がいちばん大事なときんだよ」
今回は大人の事情(←ぁ)でこんなとこ連れて来られちゃって、まぁそのおかげで幸村の新たな一面も見れたんだけど……。
「ってそうじゃなくて…!」
「おまえ結構楽しんでたろ?」
恐竜のアトラクションとか。
それを言われちゃぐうの音も出ない。
確かに、リアルに再現された恐竜のロボットに「やべーっジュラシックジュラシック!!」てテンション上がっちゃったのは言い訳出来ない事実ですけどね。
「…〜っ」
向かい合う私たちの間に、不穏な空気が流れる。
「…あんまりウチのマネージャーを苛めないでくれないか、跡部」
それを破ったのは他でもない、話題の中心となっていた、幸村本人だった。
→つづきます。
――――――――――
ムダに長くなったので区切ります。…ドキサバ幸村ルートで恐竜でてきたときはまじでテンション上がった(笑)
(11/06/22)
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