この指とまれ!





「蔵のばか!」

「俺は好きや!」

「……〜知らないっ」



俺の姫さんは、ちょっと怒りっぽい。
そんなとこも可愛いわ!

ほっぺたを膨らませてそっぽ向いた姿もホンマ愛しくてしょうがないんやけど。



「沙紀、なんでそんな怒っとるん?」

「怒ってないもんっ、ついてこないで!」



パタパタ小走りする沙紀。
せやけどリーチがちゃうからそんなに間は開かない。

ほら、ちょっと手を伸ばせば簡単に俺の腕のなかや。



「……、沙紀……なんか怒らせるようなことしたなら謝るし。俺、おまえに嫌われるんが一番つらいわ」

「……」

「……沙紀」



そっと覗き込むと、泣きそうな顔。
慌てて正面に向き直る。



「ご、ゴメンな……!俺の言い方がキツかったか?!」

「違うの……っ、蔵は悪くないの!……あたしが、勝手にヤキモチやいて……」



潤む瞳に胸が締め付けられる。
思わずそのちっさい体をギュッと抱き締めた。



「蔵……誰にでも優しいから……」

「……そっか、心配させてしもたんや」

「でもっ……蔵の、そんなとこが、…………すきだよ」

「沙紀……俺も好きや」





俺の彼女は、ちょっと怒りっぽくてヤキモチやきやけど。

可愛くてしゃーない大事な大事な姫さんや。










――――――――――
ゆかりんさんの曲聴きながら一気にかいた……慣れないことするもんじゃない。オチもなにもない。
(12/7/21)


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