優しい音色
ハッピー
メリークリスマス!
ぼっちだって寂しくないさ!
友達と過ごすから!
とか昨日まで歌ってた私。
「黒河さん。24日は何か予定があるかい?よかったら一緒に出掛けない?」
「あってもあけますよ!」
まさかの幸村君に、イヴの予定を聞かれてしまった。
なんだこれ。
自惚れてもいいかなこれ。
フラグ立ったよねこれ。
テニス部部長の幸村君は誰にでも優しくて、かっこよくて綺麗で、頭も良くて。
とりあえず悪いとこの見当たらないイケメンだ。
そんな彼が、私にクリスマスの予定を聞くなんて。
前代未聞の大事件だよ。
今世紀最大だよ!
「フフッ。クリスマスプレゼントは楽しみにしておいてね」
「……!!!」
惚
れ
た。
幸村君のことイケメンだとは思ってたけどいま恋におちたよ!
「わ、私も……!クリスマスプレゼント買っておきます……!」
「ありがとう。……でも」
不意に幸村君の綺麗な瞳が近づいたかと思えば、吐息が触れ合う程の距離でそれは一時停止。
え。
これなんの羞恥プレイ?
「黒河さんからのクリスマスプレゼントは……君自身でいいよ」
ニッコリと。
素敵な笑顔、頂きました。
もうだいすきです。
――――――――――
ただ幸村にクリスマスプレゼントの下りを言わせたかっただけ。
(11/12/21)
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