4.
魔王の監視下に置かれて暫く。
唐突にパシられはするものの、思っていたほどの過激な厭がらせもなく正直拍子抜けしていた。
それどころか、不意に微笑みかけられたりするものだから、まぁ何とも恐ろしい。
お顔は美しいからね。
心は知らないけどね。
どうやら彼に嫌われている訳ではないらしい。
じゃぁ何で?
「……何で、幸村君は私に対してのみ突然ドSになるんですか?」
「フフフ。質問の意図が分からないよ、黒河」
「意図なんてありません。単純に疑問というか……何で私に構うのか理由が分からなくて」
首を傾げる私に、幸村君は優雅に微笑った。
『理由?そんなものないよ』……ああ、そうですか。
少しでも変な勘繰りをした自分を殴りたい。
(11/11/20)
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