「ここは、黄色のカードで……」
「でた。立海の良心」
「黒河おまえなぁ……」
黄色のカードに記されてたのは中庭の方に来てほしい。
手間を取らせてすまない。という折の内容だった。
流石ジャッカルは優しいなぁ。
目を合わせてニッコリすれば、照れたように視線を反らされる。
初だなヲイ。
「しかしなんで中庭?」
「いや……なんとなくだ」
「ちょ、おま……いやいいけどさ」
何故か彼だと許してしまう。
なんだろうコレ。
色黒スキンマジック?
「ところで……幸村からの命れ……指示で、日頃の感謝の気持ちを手紙に書いてきたんだが……」
「ぶふぁっ」
「おっ、おい大丈夫か?!」
え。きいてないよ幸村。
「だ、大丈夫ダイジョブよ……続けてちょうだい」
「なんかキャラ迷走してるぞ」
まさかの手紙。
なにそのこっ恥ずかしい感謝の形。
そんな風に形にするなら霧のようにうやむやのままにしといて欲しかったよ。
「じゃぁ……これ……」
ジャッカルが取り出したのは、淡い色合いの封筒。
らしいというかなんというか。
恐らく幸村の虚言に騙されているであろう彼は、何を思ったか、封筒から更に便箋を取り出す。
そして、恐ろしい諸行を始めたのだ。
「読むぞ。黒河へ、いつもは、その……」
「ちょぉぉっ、ままま待って待って待って!!!なにその羞恥プレイは!!」
「俺もかなり恥ずかしいんだが、幸村の命令……いや指示で……」
いまこいつ「命令」て言い切ったな。
だがしかしそんなコトに構ってはいられない。
この恐怖から一刻も早く逃げ出さねば。
瞬時に判断した私は、速攻でジャッカルに背を向け走り出した。
全力で。
「あ、おい!待て黒河!俺はコレを読み終わるまで、練習に参加できねぇんだよ!!」
ぶっちゃけ、ジャッカルに追いかけっこで勝てるわけなかったんだけど。
ドS部長の魔の手から逃れるコトに必死になっていた私は、その事に気づくことなく。
酸欠になるまで走り続けたのだった。
――――――――――
あれ?このシリーズの幸村が黒化している。
(11/10/15)
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