「じゃあこの黒いカードで……」





「……え、罰ゲーム?」

「な……っち、違う!仮装だ仮装!」


黒いカードに書かれてあった指示に従って、体育館に来た私。

そこには可笑しな扮装をした真田がいた。


「いやそれどう見ても罰ゲームの一環だよね。なに幸村の命令?従う真田も意外とMだよね」

「だから違うと言っているだろう!人の話を聞かんか!」

「……あはは!真田っ、そのカーテンにくるまれた残念な姿で言われても説得力なさすぎ……っ」


白いカーテンらしきもので身を包んだ彼に、いつもの威厳は皆無だ。
何の仮装のつもりか知らないけど、笑いしか誘わない。

唯一露出された肌の部分を真っ赤に染めて、真田は私から視線を反らした。


「……今まで仮装などしたことないのだから……っ仕方ないだろう」


言い訳しだしたよこの子。


「ふふ……っ、まじクオリティ高いと思うよ真田……」


笑いが収まらなくて、手で顔を覆いながらの台詞だったけど。
何とかフォローはしておいた。

不意に視線を戻すと、少しだけ困ったような顔の彼が、小さな包みを差し出してきた。


「黒河。これは日頃の感謝の気持ちだ……」



「……え、なに怖いんだけど」

「お前は……人の好意を何だと思っている」


そういえば幸村がなんかそんなコトを言ってたな。

包みを受け取って、真田に視線を向ける。


何か普段あんまり絡むことがないから気づかなかったけど、真田って意外とシャイボーイだったんだ。


失礼なコトを考えていたら、驚いたように此方を向いた視線とぶつかった。


「……?どうかした?」

「いや……黒河がそんな風に笑う姿を正面に見るのは初めてだったから、少し驚いてな」


「……あははっ」





なんだ、私たち。

意外とお互い様だったのか。





「真田、」

「む?なんだ??」



「で、結局それなんの仮装?」





それなら仲良くしようじゃありませんか。





少しの驚きと少しの喜びの相乗効果?










――――――――――
私が真田かくとか奇跡(笑)
(11/10/15)

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