「きゃっ」
足下の土砂が崩れガーネットは短い悲鳴を上げた。
「おっと」
よろめくガーネットの体を支えジタンはため息をついた。
「ごめんなこんな足場悪い道通らせて。 大変だろ?」
自分に気をきかせてくれる彼の言葉にガーネットは少し顔を赤らめる。
「ううん、大丈夫。 わたしこういうの初めてだから少し楽しいくらいよ」
「そ、そうかい? だったら良いんだけど…」
ジタンはガーネットの言葉に安心したように笑顔を見せた。
「よくないのである! なんで姫様がこんな泥まみれの道を歩かねばならんのだ!」
「お、おじちゃん落ち着いて…」
先程から機嫌の悪いスタイナーの怒りが頂点に達し、傍らにいるビビがなんとか抑えている。
「でもこの道を通った方が次の目的地に行きやすいし、一番効率が良いんだよ」
「効率もなにもあるかーっ!! だいたい貴様はだなぁ…」
「ジタン行きましょう!」
「えっ?」
スタイナーの説教が始まる前にガーネットはジタンの手を引き急いでその場から逃げ出した。
「ひ、姫様! まだなにも言ってないというのに‥」
そんな言葉もむなしく二人の姿はもう遥か遠くに消えていた。
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