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「オレも、ガーネットの全部が大好きだよ」

その言葉にガーネットは耳まで赤くする。
目の前には大好きな彼のとびきりの笑顔。
反応を楽しんでいるような掴めない笑みをたたえるジタンからすねたように顔をそらす。

「もう…」

観念したようにため息をつく。
するとジタンはおかしそうに笑って彼女の赤い頬に手を添える。

「今の、本音なんだけど?」

ジタンは瞳に強い意志を込めて言う。

「……うん」

照れながらも小さく彼女はこくりと頷く。
それを見てよし、と満足そうに首を縦に振るとガーネットの額に優しく唇を落とした。

慈しむように、すべてを包み込むように。

柔らかな頬をそっと両手で撫で上げる。
壊れやすい割れ物を扱うような丁寧な感触にガーネットは心地良さそうに瞼を閉じた。

そして―――瞼の闇の中、何も見えない内に柔らかい感触が触れる。

ジタンは愛しそうに黒髪を梳きながら、小鳥のように甘い唇をついばんだ。


幸福の瞬間。
誰にも邪魔をされない、二人だけの時。


今は…ただ、お互いの温もりを確かめあって


愛しさを伝えあう



「ダガー…」
「なに?」

離した唇から言葉が紡がれる。

「これからも、不安になるかもしれない。 けど…その時は、またさっきの言葉言ってくれよ」
「……ん…」

恥ずかしそうに小声で返事をするガーネットの細い体をジタンは抱きしめ優しく腕に力を込める。

「オレも、ダガーが不安になったらいつでも言うからさ」
「…ありがとう」

そして、再び見つめ合う。
どちらともなく近づけた唇はそっとお互いに愛しさを分け与えた。




「もーラブラブすぎて見てるこっちが恥ずかしいわよ」

と言いつついつのまにかカーテンに隠れながら
二つの影を覗くエーコであった。



Fin


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