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“どこが―――?”

「…どこが、じゃないの」

ただ……

「……全部が、たいせつ……なの」

ガーネットは言った後にみるみる顔を朱色に染める。
曖昧な言い方に置き換えたもの、その意味は幼いエーコでも理解できるだろう。

「―――…だってさ、ジタン」
「…え?」

エーコはいるはずのない人物に話しかけ、にんまりと悪戯な笑みを浮かべる。
すると部屋の大きな窓に取り付けられているカーテンが風もないまま揺らめいた。

「…もしかして……?」

ガーネットは嫌な予感がして、冷や汗をたらす。

途端

「まさかダガーからそんな言葉が聞けるなんてな〜」

愉快そうに聞き慣れた声が飛び出た。
同時にカーテンに手をかけ、黄金の髪をおかしそうに揺らしてジタンが姿を現した。

「ジタン…!? いつから…」
「ずーっと前からダガーの目を盗んで隠れてたんだ」

エーコの横に立ち、ブイサインを送る。

「サンキューなエーコ」
「ま、ジタンの頼みならこのくらいはお安いごようよ」

得意げにブイサインを返すエーコを見てガーネットは
二人が協力をしていたことにようやく気がついた。

「ひど…もう! どういうつもりジタン!?」


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