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「ふーっ。ようやくおっさん行ったか」

後尾を振りながらカーテンの中から出てきたのは金髪きらめくジタン。

「うん。ちょっと意地悪だったかな?」

スタイナーがああやって騒がしくやって来るのは大抵どうでも良いことのお説教。
わかってる女王様は上手くかわしてティータイム。
もちろん向かいの席には、愛しいこの人。

「ホットココアかー美味しいよな」

ごくり 一口飲めば、揺れるマグカップ。

「自分で作ってみたの。ジタンが来る前に」

自然にほころびる口元やわく。

「へえ、ダガーが?すごいな」

彼女のおかげでまた笑顔。
窓から差し込むぬくもりに伏せる睫毛。

「ベアトリクスにね?前、美味しいココアの作り方教わったから」
「へえ、どうやるんだい?」

問われたガーネット、はにかむ頬桃色に。

「ふふ 秘密!」

隠し味は隠すからこそ 隠し味で。

「ははは、非公開か」
「そ。だって、教えたら意味がないでしょう?」

…でも。

「一つだけ、教えてあげる」

とっておきの 隠し味。

「なになに?」

寄せられた耳にさえずる言の葉は。

「…愛情!」

驚き丸めた蒼を愛して
頬にそっと触れさせる唇。
彼女からの贈り物。

「………どうしよ」

口付けられたジタンの顔は朱に染まり。
困った彼に笑うガーネット。

きらきら、きらきら

輝く毎日。
輝く日常。

人は囁く。

身分だとか、世界が違うだとか。

でも 大丈夫。

この二人には、そんなものおかまいなし ですから。


今日も笑顔絶えない時間。
あたたかな隠し味を添えたココアに願いを込めて。




明日も一緒に、いれますように。







Fin


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