FF8小説 | ナノ

「ねぇねぇスコール〜」
「……なんだ」
「…かまって?」

スコールはパソコンのキーボードを打つ手を一瞬止めるが再び忙しなく動かし始める。

「…今は忙しいんだ。後でな」
「『後でな』ってこれで何回目〜?リノアちゃん限界ー」

言いながら机でデスクワークをしているスコールに背後から抱きつく。

「おねがい〜!五分だけで良いから、ね?」

背中に当たる柔らかい感触に惑わされそうになるものの、それでも手を休めることはない。

「お・ね・が・い」

白い頬をスコールの首もとにすり寄せ甘い声でねだる。

「……だめだ」

額の傷に皺を寄せなんとか理性を保つ。

「スコール〜ちょっとだけだってば〜」

リノアは更にスコールを強く抱きしめる。
漂ってくる優しい香りにスコールはため息をつきそうになった。

「なんで今日はこんなにひっついてくるんだ?」
「ん〜?なんかねえ、なんとなく〜」

どことなく滑舌の悪い発音でリノアは答える。
豊満な胸をスコールの背中に押し当て、目一杯“かまって光線”を出す。

「…じゃあ、かまってやる」

スコールは仕方なさそうにパソコンの電源を切り彼女の方を振り向く。

「ほんとう!?」

両手をパンと合わせ飛び跳ねながらリノアは喜んだ。

「ただし。 …どうなっても知らないからな」

スコールが意味ありげに言うと、リノアは首をぶんぶんと縦に振る。

「うん!スコールになら、何されたっていいも〜ん」

ほわんと頬を赤く染めはにかむリノア。

「言ったな」

スコールはリノアの両腕を掴み桃色の唇に深く口付けたた。

「ふ…」

苦しそうに吐息を漏らす彼女の細い体をスコールはそのままベッドに倒し込んだ。

「リノアが良いって言ったんだからな。待ったは無しだぞ」

スコールは組み敷いたリノアに意地悪く言う。
そして水色のニットの上着に手を掛けた、その時―――


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