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ずっと、ずっとずっと一緒にいられますように―――
「えっ?」
リノアはベッドから飛び起き驚きの声を上げた。
「それ、本当?」
信じられないといった様子のリノアは首を傾げながら聞く。
すると彼女が居るベッドの持ち主は目の前の椅子に腰掛けながら答えた。
「ああ。今日は依頼人がキャンセルを出して任務がなくなったんだ」
「じゃあ、一日中一緒にいれるってこと!?」
リノアは黒曜石のような瞳を輝かせベッドから降りてスコールに抱きついた。
「久しぶりだね!今日はずっとずっと一緒だよ!」
あまりのはしゃぎようにスコールは苦笑しつつも、腕の中の愛しい人に優しい眼差しを向ける。
「いつも、放っておいて悪かった」
彼女の漆黒の艶髪を撫でながらスコールはぽつりと言う。
するとリノアは緩やかに首を横に振り、厚い胸板に顔を押し付けた。
「そんなことない。スコールはSeeDだもん、任務が毎日あるのは当たり前だよ」
「…でも…」
こうしてリノアを抱きしめてやることも、優しく髪を撫でてやることも、ほんの少しの間しかできない。
スコールは抱きしめる力を増した。
「本当に……すまない」
「…もう!だいじょうぶだってば!」
リノアはスコールに負けないくらい強く抱きしめる。
「わたし嬉しいよ。スコールがそんなことを思ってくれるだけで、幸せ」
言いながら、ふふ、と顔を綻ばせる。
「ねえねえ、どうせ今日一日中一緒にいるなら、デートしようよ」
「デート?」
スコールが繰り返すと、リノアは「そう」と続ける。
「ガーデンから一番近いのはバラムだよね。街、行かない?」
リノアはにこにことスコールの返事を待つ。
「ああ、わかった。けどバラムはたまに行ってるだろ?いつもバラムで良いのか?」
スコールの問いにリノアは人差し指を唇の下に当て数秒考えるが、やがて何度も頷く。
「いいの。だってすぐに着くからスコールと一緒にいれる時間がいっぱいできるもん」
スコールはそれを聞くと彼女の頭を優しく撫でた。
「わかった。じゃあ俺は着替え終わってるから、リノアは着替えろ」
「着替え…って、」
リノアは自分の姿を見て、赤面する。
「やだ、わたしキャミだけだったんだ!?」
白いレースが施されたキャミソール一枚に、下着だけの状態。
リノアは慌ててベッドの上にあるいつもの服を手に取ると、スコールを後ろ向きにさせて着替えた。
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