FF8小説 | ナノ


「あー楽しかった!次どこ行こっか?」

スコールの説明を聞いて金魚すくいに挑戦したリノアだったが結局不器用な手先が災いして一匹も取れなかった。
代わりにスコールが何匹かすくってあげたのだった。
金魚が入っている水袋を手から提げすっかりご機嫌のリノアは次なる目的地を探す。

「じゃ、あれにしようよ。ここから近いし」

リノアが指差す方向には【輪投げ】と書いた大きなのれんを掲げる店があった。

「輪投げのルールは…」
「だ、大丈夫!これはやったことあるから!」

その言葉に安堵しスコールはリノアの手を引いて彼女の歩調に合わせながら輪投げ屋へと向かう。

「10ギルだよ」

店の教官にそう言われ当たり前のようにギルを渡すスコール。

「あ、これはわたしがやりたいだけだから、今回はわたしが払う!」
「いいから」
「よーくーなーい!すいません、それじゃなくて、これでお願いします」

自分の巾着からお金を出し、教官に渡す。
代わりにスコールのギルを取り戻したリノアは彼の手にそれを納める。

「一緒にやるやつならともかく、これは一人でやるものでしょ?だから良いの」
「…わかった」

たったの10ギルを返され腑に落ちないスコールだったが、渋々ポケットにしまった。

「ふっふ〜、わたし輪投げならけっこう得意なんだ」
「まあ、不器用なのとは関係ないからな」
「スコール、それ言わないの」

リノアに一睨みされ手で口を抑え笑いを堪えた。

「もうばかにして〜!見ててよー…それっ」

リノアは一等目掛けて輪を投げた。
手から離れた輪は綺麗な弧を描いてすっぽりと狙い通りの一等のポールへはまった。

「伊達にブーメランやってたんじゃないんだから!」
(ああ、それでか)

スコールはリノアの使用武器を思い浮かべて納得した。

(誰だって自分の武器と同じようなものはさすがに得意になるか)

と、なんとも失礼なことを思いながら彼女の様子を黙って伺う。

その後も次々と輪を一等にはめていくリノアの周りには、いつの間にかたくさんのギャラリーが増え成功する度に歓声が上がる。
スコールはリノアの真剣な顔を側で見つめながらこっそりと笑みを浮かべた。


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