FF8小説 | ナノ

(…ああ、そうか…)

ようやく、答えがわかった―――気がした。

リノアはいつも気遣ってくれていたのだ。

相手にしないのは自分じゃない。
相手にしてくれていたのは、他でもないリノアだった。
いつもいつも
こんな自分の相手をしてくれた…


―――スコールは、駆け出した。


「きゃっ!?」

気がつくと、息を切らしてリノアの腕を掴んでいた。
彼女は目を丸くして驚愕している。

「ど、どうしたのはんちょ?そんな慌てて…」

リノアの隣にいたセルフィの焦った声も耳に入らない。
ただ、この目に映る彼女のことしか考えられなかった。

腕を強く掴んだままスコールはリノアを強引にその場から引き離し森の奥へと足早に向かう。

「ね、スコールどうしたの?」

戸惑い気味のリノアの言葉にスコールはようやく足を止めた。
けれど振り向くことはせずただ黙って佇むだけ。
自分の腕を掴んでいる大きな手をリノアはそっともう片方の手で包む。

「スコール、なにかあった?」

穏やかに、優しく掛けられる声。
スコールはようやく後ろを向いた。

振り返った先にあったのは、普段通りの彼女の笑顔。
いつも自分に向けてくれていた…
何時の間にか、当たり前になっていた微笑み。

スコールは安堵したかのように険しい表情を崩した。

「やっと…笑ったな」
「え?」

手の力を緩めスコールはそっとリノアの腕を放す。

「今日、あんた…笑わなかっただろ。だから…」
「…気になった?」

スコールの言葉を先読みしてリノアが言う。
気が付けば彼女はとても嬉しそうにはにかんでいた。

「うっれしー!!」
「は?」

突然飛び跳ねてガッツポーズをするリノアにスコールは怪訝な顔をする。

「ふっふー。リノアちゃんの『押して駄目なら引いてみろ作戦』、大成功!」


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