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「――― くー…」
「……は?」
スコールは目を大きく見開き思わず間の抜けた声を発する。
「ふふ、スコールゥ〜……」
腕の中で幸せそうに微笑みながら―――寝言を言うリノア。
状況を理解する為、ひとまず体を起こし額に手を当て考える。
(……?…酔って…いた…?)
しかし酒に弱いリノアが自ら、しかもこんな昼間から飲むとは思えない。
それに酒の匂いすらしなかった。
そして、それらを含めて出た結論が―――
(……アーヴァインか……)
スコールはテンガロンハットを被ったキザな青年を思い浮かべ殺意を覚える。
昨日アーヴァインが“匂いが全くしない珍しい酒を手に入れた”と騒いでいたことを思い出す。
おそらく自分の目を盗んでリノアにわざと酒を勧めたのだろう。
「…なるほど、そういうことか」
中途半端に火照った体をゆっくりベッドから離し気持ち良さそうに寝息を立てるリノアに毛布をかけてやる。
そして傍らにあったガンブレードケースからライオンハートを取り出し一払いする。
艶やかに切っ先がきらめくのを確認すると、珍しく口元を緩ませた。
「…よし」
一人頷き肩にそれを担ぎ部屋を出る。
標的は同じ男子寮にいる一応優秀な銃の使い手。
かつての仲間は、今ガーデンで最も恐れられている指揮官に命を絶たれようとしていたのだった――――
Fin
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