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「次はどこに行くんだ?」
「ん〜どこにしようかなぁ…」
リノアは周りを見渡し目当ての店がないかと探す。
すると、一軒の三角屋根の店が目に止まる。
「ねえ、ここ入っても良い?」
言いながらスコールから腕を放し店の扉の前に立つ。
新しくできた雰囲気で、女性が好みそうな雑貨屋か何かだろうか。
スコールが頷くのを確認すると、リノアは扉に手を掛け中へと入った。
店の中は薄暗く、棚に並べられたいくつものキャンドルが目を奪う。
キャンドルの見本に火が灯っておりそれが店全体をほのかに照らしている。
「素敵…」
リノアは感嘆のため息をついた。
「なにかお探しですか?」
若い店員が二人のそばに寄ってきて笑みを浮かべる。
「いえ、特には…」
リノアが答えると、店員はそばに置いていた小さな小包を見せる。
「ではこれはいかがでしょう?恋人たちのためのアロマキャンドルです」
「恋人たちの?」
リノアは興味津々に聞く。
「はい。この中に入っているキャンドルに二人で火を灯してやると永遠に愛が続くというおまじないです」
スコールは特に興味を示さなかったが、リノアはキャンドルをすでに受け取っていた。
「これ、ください」
「ありがとうございます。ペアセットで500ギルになります」
リノアは500ギルを渡しまじまじとキャンドルを見つめる。
「これ、どんな形してるんですか?」
小包にくるまれ姿が見えないキャンドルを指差した。
「それは、開けてからのお楽しみです」
店員がにっこり言うと、リノアは納得したように頷きスコールを出口に促して店を後にする。
「それ、帰ってから点けるのか?」
無駄な質問だとわかっているも、スコールは隣で嬉しそうにキャンドルを持つリノアに聞いた。
「ん?もちろん」
機嫌良さそうに答えるリノアを見て、スコールは ふ、と微笑み彼女の手に指を絡める。
「!」
手を握られ驚いてスコールを見上げると、彼は平然としつつもどこか表情を隠している。
「…スコール」
「なんだ」
「…ふふ…なんでもない!」
そう言って恋人繋ぎをしながらスコールとリノアは久しぶりの街を満喫した。
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