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本当は疲れ果てて直ぐにでも休みたいはずなのに。
いつも委員会に参加出来ない事を悪いと思って胸を痛めているの、知ってますよ。
こっそり虫篭などを修繕してくれている事も、それを食満先輩に相談して修繕の仕方を教わっている事も、こうやって親睦を少しでも図ろうと時間を作ってくれている事も。
なぁ先輩、俺たちは貴方のその想いだけで十分ですから。貴方の優しさ、ちゃんと伝わってますから。

そう念じる様にひと呼吸すると、俺も皆の後に続いた。



背中に優しさを隠し持つ

(―――だから先輩、もっと俺たちに甘えて下さいね。)





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