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俺という奴は

五年は組。保健委員会所属。
でも不運というわけではなく、どれかと言ったら庇った拍子に貰い不運が時々あるくらいだ。

見た目は…周りからの評価を参考にさせてもらえば、容姿自体は端正な顔立ちをしていて、色は白く傷は多いけれど基本的には乙女のようなしなやかで柔らかな肌をしていると言われる。

誰だよ、それ。
俺じゃない気がする。
と否定したいところなんだけど、確かに幼少の頃は女子に間違えられることの方が多かった。

父の言いつけから、女装を想定して髪を伸ばしていた事もその原因ではあるんだろうな、きっと。

今は背に届く程まである濡羽色のストレート。
髪が細いのか、真っ直ぐ重力に沿って、さほど太さも無く結われている。

瞳は(父の隔世遺伝を継ぎ)太陽の下で間近で凝視すれば判る程度だが、薄い青と緑が混在している。
光の反射によって見える色が多少違う事から、どうやら英国の血が混ざっているのではという話らしい。
実際はよく分からないけど。

両親は武家だった女と、その城を守る忍の組頭だった男。
密に恋仲だった二人だが、母は当時俺を身籠った矢先に性急な縁談を結ばされ(どうやら当時敵城の侵攻が強まり、軍の拡充を図るために共闘を持ち掛けていた城の息子との婚姻を、加勢をする代わりにと条件付けされたらしく)嫁ぐ運びとなった。
勿論両家の両親も夫となった男も懐妊は知らず、俺の事を夫となった男の子どもだと疑わなかった。

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