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情けないのは分かっているが、じゃぁこの気持ちをどうしたらいい?

誰か教えてくれ。

「三郎は時々傷付いた顔をするな・・・。俺の所為なのか?どうしたら、傷付けないで済むんだ?」
聡いこいつは、理由こそハッキリ分からずとも、自分が関係するという事は汲み取ってしまう。
「・・・違う。鴻の所為じゃない。私が未熟なだけだから・・・心配かけてすまない。」
再び身を寄せて抱きつく。
寸分の隙間も作りたくなくて、胡坐をかいた鴻の上に馬乗りになるような形で跨って座った。
おかげで身体は密着して、じんわりとお互いの体温を分け与えていた。
梅雨が明け、夏を迎え始めた今時分なので少し暑いけれど、そんな事は一寸も気にならなかった。
鴻との抱擁が何よりも愛しい。

ゆっくりと鴻の腕が私の背に回り、上から下へと何度も撫でてくれた。小さい子をあやすように優しく幾度も。

「なぁ、今夜その子が口付けしてくれって頼んできたらどうするんだ?」
先日の話題の中露見した鴻の純潔の唇。
今まで守って来られたからって、今日も守り通せるという保障があるわけでも、鴻の気が変わらないとも限らない。最悪、口付けをしてもいいと鴻が思う相手が現れないとも限らない。そう思うと、すぐにでも奪ってしまいたい衝動に駆られる。

…初めてが、私であればいいのに。



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