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「うん?全くでは無いけどあまり、ね。欲が薄いのか、なかなか勃『うわーーーーーーッ!!!!!』
さらっと問題発言をしようとした近江を、不破と久々知の叫びが掻き消した。

「耳が…痛てぇ…」
「でも、気持ちは分からんでもない…」
「あはは、じゃぁ四年の時とかその後はどうしたの?」
竹谷、鉢屋、尾浜が順繰り口を開く。

「最初にちゃんと、もしもの時は“張形”を代用する事になってしまうけど良いか断りを入れるよ。嫌なら相手を換えてもらう許可取りに行きましょうねって。」
情けないだろ〜とへらりと苦笑を浮かべ、後ろ首を掻く。
「そんなもん何処で手に入れたんだよ!」
驚いて近江を指さす竹谷。
「廓とかだと、張形が商売繁盛の象徴として飾られてるんだよ。だから店主が俺の入学時に、門出祝いにくれた。」
大成を願ってって意味合いでくれたらしいよ、とクスリと近江が思い出したように笑んだ。

「「「「「へぇ〜〜〜〜〜」」」」」
五人が感嘆の声を上げる。

ひょんな事から始まった猥談。
そこには予想だにしていなかった友人たちの実情と意外性のようなものを垣間見た。



上手くいかないから、現世(うつしよ)なんです

(意外と、誰しも自分の中に劣弱意識を持っているもんなんだな…親近感。)





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