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「ふふっ、こんなにも保健委員会の事を想ってくれる後輩を持てて僕も幸せだな〜」
零れそうになる涙を隠すように、日干しにしていた包帯をとり込もうと立ち上がる。

「先輩、貴方の願いが込められたこの薬たちのおかげで、俺たちは今日も元気に鍛錬に励めるんですよ。怪我をして貴方に怒られても、それでも此処で迎え入れてくれると知っているから恐れずに頑張れるんです。ありがとうございます。」

そう、庭先に出る僕の背に落とした。




今度こそ、涙が零れてしまった。



僕と彼は、保健委員

(―――もう、こんな聡い子を相手に僕はどうしたらいいの。)





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