02
俺を殺されてはならないと、両親は墓までこの事実は持っていこうと誓ったらしい。
幸い母親似だったのが救いとなり疑われる事はなかったが、俺自身はどちらかというと、俺と瞳の色がよく似た(そして、俺よりも顕著に表れていた)組頭との方が雰囲気が似ていると思っていた。父とされていた男の瞳は真っ黒だったし。
専ら父とされていた男や両家の両親とは室内でしか会わなかったし、三年という短期間だったからバレなかったというのが大きい気もするけれど。
…サラッと言ってのけたけど、実は俺が三歳の時に城が没落し、両親が逃亡を図った為に実父の存在を知る事となった。
没落する三歳までの間は武家としての教育と剣術を実父である組頭から教わっていた。
逃亡後は、追忍から逃れる為と母の存在を隠蔽する為、母を遊里(廓)に隠した。
母も覚悟の上で強かに生きてきたらしい。いつか最愛の男と子どもに会える日を夢見て。
俺はと言うと、遊里に子連れなんて言語道断なので、実父が俺を育てながら仕事を見つけ生計を立て育ててくれた。
本当は抜け忍としての追跡が落ち着き、母を迎え入れられる平和を築いてから遊里に迎えに行こうと約束していたのだけれど…
俺が八つの時に奇襲により命を落とした。
だからおれは…復讐すると、決めたんだ。
俺という奴は
(―――あの日々を、忘れる事なんて絶対に出来ない。)
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