彼女―さやかとはかなり長い付き合いだ。 彼女は人間ではない。正しく言うならば、魔族と人間のハーフだ。魔界では『忌み子』と嫌われるが、逆に俺たちのように人間界で生活の基盤を持ち生きる魔族には重宝がられる。 彼女の両親は、この逆巻の家の使用人として働いている。そういう流れで、アイツのことは小さい頃から知っている。 いつもニコニコと笑い、歌うように話す彼女は男兄弟の我が家ではもっとも身近な紅一点の存在だから、もちろん俺だけじゃなく他のヤロー共も子供の頃から何かにつけて構ってきた。 『みんなのコト大好きだよ』 そう言って笑う彼女を見るのが、幼い頃は好きだった。 だけど、今は… 『アヤトだけがスキだよ』 そう言って欲しくて仕方ねぇ…だけど、彼女は今日もあの日と変わらない笑顔でこう云うのだ。 『みんなのコトほんとに大好きだよ!私は兄弟がいないからお兄ちゃんだって思ってるよ。」 と、残酷な言葉を楽しそうに。 *************** 「アヤト?話があるってなぁに?」 「…まぁいいから、とりあえず入れよ!」 「うん?お邪魔しまーす。」 アヤトの部屋に入るの久しぶりだね、なんて無防備な笑顔のまま彼女は俺の部屋へと足を踏み入れる。 「…話なんて、ないぜ」 「…えっ?」 ソファーに座る彼女の手を逃げられないように掴んだまま、笑いながら押し倒す。何が起きているのかわからない、そんな困惑の表情を浮かべている。 「俺様が一番じゃねぇのが気にくわねぇんだよ。『みんな』じゃなくて、『アヤト』をオマエにはスキになってもらうと思ってな…」 だからとりあえず、俺を知ってもらう為にオマエを抱くことにしたんだ。…抵抗すんなよ?したところで、逃しはしないけどな… 自然と弧を描く唇。状況が理解できたのか、引きつった今にも泣きそうな顔でこちらをみつめるさやか。 「知ってるか?そういう表情は男の加虐心を煽るだけだぜ…っ」 「――っ!!イヤー!!」 叫ぼうとしている彼女の口を無理やり自分の唇で塞ぎ、頭を押さえつけ舌をねじ込む。多分キスすらしたことなかったのだろう。息の仕方がわからないのか真っ赤な顔をしている彼女はひどく愛らしい。 「口開けよ…そう…そうやって息するんだよ。…何、泣いてんだよ?涙がでるほどキスが快感な訳?」 じゃあもっとしてやるよ。そう言って再び、彼女の唇を塞ぎ舌を入れようとした瞬間、鉄の味が口の中に広がる。 「さやか…テメェ…俺様の唇噛みやがったな…!!絶対に許さねぇ。優しくシテやろうかと思ってたけど、ヤメだ。快楽じゃなく苦痛で、オマエを支配してやるよ…っ。」 乱暴に彼女の衣服を文字通り剥ぎ取ると、まだ誰にも触れられたことのない白い肌が目の前にさらけ出される。 「嫌だ…!アヤトくん…お願いだから、ヤメて…!!」 ポロポロと涙をこぼし、必死に体を捩って自分の姿を隠そうとする、さやか。 「絶対に止めねぇ。…そうやって俺だけを見てろ。隠す必要なんてねぇぜ?…今から隅々まで、俺様のモノだって他のヤツにわかるようにしてやるからなっ…!」 力任せに下着を剥ぎ取り、あらわになった乳房を乱暴に揉みしだき、唇を這わせわざとらしく音を立て舐め回す。 「おい、乳首立ってきたぜ?気持ちいいんだろ?」 ぎゅっと彼女の乳首を指ですりつぶすように握ると、「痛い…!」という悲鳴があがる。 「…そのうちコレが快感に変わるんだよ。」 指をはなし、再び舌で転がすように舐めると彼女の表情が少しだけうっとりとしたものに変わってゆき、嗚咽混じりだった声はただ荒い呼吸とくぐもるような声に変わってゆく。 「…ココをイチバン可愛がってやんねぇとな。」 ショーツの上から彼女の割れ目をツーっとなぞると、再びその顔は恐怖に支配された表情になる。 「ヤダっ…!そこはダメ!他のことならなんでも言うこと聞くからそれだけはやめて‥」 「なんでもねぇ…じゃあ、俺様のモノになれよ。全てを俺に捧げると誓えよ。」 そうするなら、今日のところはここで止めてやるぜ?そう、さやかの耳元で囁く。 「そんな…」 「二者択一だ。選択肢を与えてもらえたことに感謝しろよな。んで、どっちだ?」 はやく言わねぇと、今すぐ突っ込むぞ。そう言って再び彼女の下着に手を伸ばそうとすると、 「わかった!私は、アヤトのモノ。…アヤトに全てを捧げるから。」 「…聞き分けのいい女はスキだぜ?…ちゃんと言えよ。俺がイチバン好きだって。俺様のコトだけを愛すると誓え。」 「アヤトが一番だよ…私はアヤトだけを愛するから…」 怯えた目で俺を見ながら、呪文のように言葉を繰り返す。
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