Lesson2




到着した先は案の定というかお誂え向きというか、保健室だった。夜間の保健室は保険医が不在なことが多いのはサボることがあるこの学校の生徒だったら誰もが知ってるくらい常識だったりする。

「ねぇねぇ、ビッチな奈緒ちゃんはどんなふうに抱かれるのが好きなの?優しくされたいの?それとも痛かったり乱暴なのが好きなの?」

「そんなこと考えたことないし。普通でいいよ、逆巻くんの普通で。」

「せっかくスルんだったら気持ちいいほうがいいでしょ?ねっ?」

「…満足させる自信があるってさっき言ってなかった?」

「ふーん。じゃあ本当に好きに抱いていいんだね?…後悔しないでね。」

したいんだったらさっさとすればいいじゃんと、投げやりな態度の私に納得したのか、彼は私をベッドの上に組み敷く。
薄いカーテンの向こうから透ける月明かりに照らされた彼の顔は寒気がするくらい美しく見えた。

目を逸らしたいのにまるで金縛りにあったみたいに彼のエメラルドグリーンの瞳から目が離せない。

「そんなに見つめられたら僕興奮しちゃうんだけど。奈緒ちゃんの目っていやらしいよね。」

「そう?」

「うん。挑発的でゾクゾクしちゃう。…それじゃいただきます。」

ゆっくりとこちらへ近づいてくる彼の唇にそっと自分の唇を重ねる。私の体温が高いのか彼が低いのかわからないけれど、少しひんやりした舌先がとっても気持ちがいい。
角度をなんども変え、重なる唇に絡み合う舌。ピチャピチャと唾液の混ざる音だけが響く。

彼の手が私の首筋、鎖骨をゆっくりと滑りそしてブラウスへと進んでゆく。プチっという音を立てながらゆっくりと外されていくボタン。
絡み合う舌はそのままに進んでゆくその手をもどかしいと思うのは私が真性のビッチだからなんだろうか?

「美味しそう…」

少しかすれた声でそうささやいて彼の唇は私の唇から離れ、ゆっくりと首筋をなぞる。その刺激に私の肩はピクリと反応する。

「感じてるの?だったらいい声で啼いてよ。」

耳元で囁かれる声に、私はこくりと頷きくぐもった声をだす。

下着の上に添えられた手がゆっくりと私の胸の形を変えるように揉む。もどかしい、じれったい直接触ってほしい、そんな気持ちをこめて少しだけ背中を浮かせるとそこに彼の手が侵入してくる。

「外して欲しいんでしょ?僕にお願いしてみてよ。」
背中のすきまを撫で回しながら私の鎖骨を舐めまわすライトくんの声には逆らえない。

「外して下さい。ブラ外して欲しいの。」

「いいよ。ほんとに我慢ができない子なんだね。」

素直な子はきらいじゃないよとかなんとか言いながらぷちんと音を立てて外される下着。

「それで次は?どうして欲しい?」

「…触ってほしい。」
「どこを?」
「…」
言ってくれないとわかんないよ、どこ触ってほしいの?そう言いながらゆっくりと彼は私の太ももを撫で回す。

「全…ぶ。全部触って!好きにしていいから!」

今までに経験したことのない絶妙な加減の舌使いと指の動かし方に私の身体は、彼がただ触るだけで快感の波が押し寄せるのだ。

「好きにしていいの?…ホント?どんなことしてもいい?」

さっきまで太ももを撫で回していた手は再び首筋に戻ってきていた。ゆっくりと何度もなぞるように項を触る彼に私はただ頭を縦にふることで肯定の意思を示すのが精一杯だ。

「…じゃちょっと痛いかもだけど我慢してね。でも奈緒ちゃんだったらきっとすぐに気持ちよくなるよ。」

何をされるのかなんてわからないけれど、気持ちよくなるって言ってたんだからきっとそうなるんだろうと私が彼に身を委ね力をぬいた瞬間、味わったことない痛みを首筋に感じた。

「…痛っ!!」
まゆをしかめちらりとライトくんを見るとそこには信じられない光景が写っていた。
牙が首に刺さっていて、私の血をすすっている。これってもしかして、ヴァンパイアってヤツなんだろうか?
特に抵抗しない私の態度を彼は私が了承したと受け取ったのか、さっきよりも牙が皮膚の内側に食い込むような、なんとも言えない熱くて痛いけどどことなく気持ちがいいような、痛みとも快感とも言いがたい不思議な感覚が襲ってくる。
「…んっ、あっ…」
ふわふわする感覚が体を支配する。

「…やっぱり思った通りのビッチちゃんだね。奈緒ちゃんのその表情すごくいいよ。うっとりした顔で僕を見つめてさ…初めて吸血されたんだよね?なのにそんなふうに僕の牙を受け入れて…」

ねぇぞくぞくしてきちゃった。

直接脳内に響いてくるような声の後に再び開始される、愛撫。吸血されたせいなのかなんなのかよくわからないが、私はそれに嬌声をあげることしかできない。

「まだ全然僕触ってないのに奈緒ちゃんすごく濡れてる。そんなに欲しいの?ねぇ」

下着の上から再びゆっくりと中心をなぞるその指使いにわたしは喘ぎ声以外の言葉を発することはできない。
「あっ…やぁ…っ…ちゃん、とっ…ちょっ…直接…さわっ…触ってっ…」

「そーじゃなくて欲しいの?って聞いたんだけど。」

質問にちゃんと答えろよ。さっきまでの柔らかな感じの声とは全く違う冷徹な声。

「…欲しい。もう無理。がまんできなっ…あっ…!」

私の言葉を遮るように侵入してくるそれを全く触れてない秘部は受け入れ少し動いただけでも、いやらしい水音を立てる。

「…やっぱりビッチちゃんはちがうねー。ねぇどうされたい?奥までいっぱい突いて欲しい?それとも自分で動きたい?」
焦らすように腰を動かしながら私の反応を探る彼の姿はとても艶かしくて、美しい。

「いっぱ…っあっ、ぐちゃぐちゃにしてぇ…!」

与えられる快感を少しでも逃さないように彼の首に腕を回し体が離れないように密着させる。

「インラン…まぁソッチのほうが僕も好きだけどねっ…」

グッと腰を掴まれ彼が私の奥へともっと深く侵入してくる。

「あっ…そこっ…もっと…」

「じゃあもっと気持ちよくしてあげるね…っ!!」

私の首筋に再び感じる牙の感触。さっきまでの痛みはなくまるでそれは媚薬のように私の身体を溶かしてゆくのだった…


身体から力が抜けてゆくのは血が足りないから?それともこの快楽のせいなの?









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