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白石パパ

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参観日なるものを作ったのは、どこの誰だ。
もし名乗り出てきたなら、今すぐボコってやる。
顔の原型がなくなるまで、ぼっこぼこに。
なぜなら、参観日の度に、

「詩織ー!こっち向いてやー! パパきてんでー!」

……切実に、死にたいと思うからだ。
中学になってまでビデオ片手に、授業妨害をする親を持つ私からしたら、仕方がないことだと思う。
大体、私の父親は仕事を休んでまでなぜ醜態を晒しに来るのだろうか。
こっちが恥ずかしくなってくる。

「白石、またお前の親父来とるな。俺の親父がおらんから、いつもに増してうるさいし」
「なんでおじさん連れてこなかったんだよ、忍足!」
「忘れとってな、すまんすまん」
「この薄情者っ、裏切り者! 私を売りやがったな!」

隣の忍足に八つ当たりすれば、彼は苦笑するだけで、私のイライラを倍増させる。
イラついたから、消しゴム真っ二つにしてやった。
買ったばっかやのに、と半泣きになっているが、当然の罰だ。
だって私の父親を止められる、唯一のおじさんを連れてこなかったのだから。
とりあえず私の父親に関係なさそうで、関係のあることを考えて、後ろで跳び跳ねながらやたらとハイテンションな父親のことを無視していたら、彼がまた声を発した。

「詩織、こっち向いてや! 謙也の息子ばっかり構わんと、パパ大好きって笑ってやー!」

誰がんなこと言うか。
むしろ、大っ嫌いだわ。
クラスの視線が、どうにかしろとばかりに私に突き刺さる。
ごめんね、あんな大人になれていない親を連れてきて。
とりあえず、黙らせるから待ってて。

「詩織ー!」
「父さん、いい加減に静かにしないと嫌いになるから。一生口きかないからね」
「そんなん言わんとって!」
「なら黙れ」
「分かったから! やらんとってや、さっきの!」

それきり静かになった父親には目もくれず、授業に集中する。
帰ったらどう父親を説教するかを考えながら、私は参観日を終わらせるのだった。



参観日 ビデオ片手に はしゃぐ父

(父さん、ビデオ貸して)
(何するん…?)
(こうするんだよ(バキィッ))
(ちょ、詩織っ…!)

テニプリ密着24時V様に提出させていただきました。

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