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※管理人の実話
※キセキに置き換えていますが、ほぼ本当に交わしたやり取りです(一部キセキに合わせるために変えていますが、大幅に変わったとこはないです)
※ぬるーいホラー
※お遊び半分で心霊スポットには行かないでください


休日に、しかも夏になんでこんなとこ来なきゃなんないんだ。
さつきちゃんに誘われたから来たけど、バスケ部がいるなんて聞いてない。

「さつきちゃん、こいつらはなんなんですかね」
「ご、ごめんね! 女の子誰もいないから、怖かったんだもん…。瑞希ちゃん、カッコイイから声かけたの…」
「! よし、さつきちゃん行こう、女の子二人で行こう」
「テメェは女じゃねえだろ」
「黙れ青峰、殴んぞ」

青峰まじ失礼。アイツがさつきちゃんの幼馴染みとか絶対認めん。
汗を拭ってこっからどこいくのと聞けば、赤司が廃線だと答えた。
廃線? 廃線って前に電車走ってたとこ、だよね? なんでそんなとこ行くんだよ。
折角のオフを、廃線行くので潰すとか、バスケ部の主将様の考えることはよく分からん。
とりあえず周りに自販機すらないところでグダグダするのはやめよう。
行くならさっさと行って、帰りにアイスでも食べようよと言うと、乗り気じゃないっスかと黄瀬がボソりと言った。
おい、聞こえてるからな。とりあえず後で蹴り倒す。
総勢八人で道を歩き、廃線に到着。案外距離があってしんどい。日差しも強いし、半ニートな私には辛い道のりだった。

「で、こんな山奥の廃線に来ってことは、何かしらあるんでしょ」
「鋭いね。流石は岡崎だ」
「この廃線、心霊スポットなんですよ。厳密に言うと、ここから二つ目のトンネルが」
「くだらんが、夏にはピッタリだろう。それで来たのだよ」
「うわマジかよ…」

上から赤司、黒子、緑間の言った言葉に、頭が痛くなった。
なんでそうお遊び半分にこようとするかな…。緑間ならわかると思っていたのに、緑間も理解できてないのか。
心霊スポットはお遊び半分で来ていいところじゃない。
そこにいる霊が本物だとしたら、そうとう失礼な事なんだから。何が起こっても不思議じゃない。
それなのに、こいつらはバカか…!

「とりあえず行くぞ。昼過ぎには出て、途中で昼食をとろう」
「いや、赤司、やめた方がいいよ。ここググってみたら結構有名なとこじゃん。なんかあってからじゃ遅いよ」
「んー? 瑞希ちん怖いのー? 帰るー?」
「…紫原、冗談いうなよ」

紫原についついそんなことを返してしまった。あーあ、取り返しがつかんことをしてしまった。
まあ、なんか起こっても私は知らんし、後でぎゃあぎゃあ言えばいいよ。
半分あきらめて、彼らの後に続いた。とりあえず得したなあとおもうのは、さつきちゃんが私の腕にひっついてたこと。
別にレズじゃないよ、可愛い女の子が好きなだけだもの。

「さて、このトンネルか」
「聞いた話によるとね、コウモリとかいるんだって…!」
「さつきちゃん、大丈夫大丈夫。コウモリは吸血コウモリじゃないらしいから」
「そういう問題っスか…」
「あとあれらしいです。人の手の届かないところに、赤い手形があるらしいですよ」

あららー、怖いねーなんて言う紫原の声を聞きながら、私はヤバイぞと引きつった笑みを浮かべていた。
ガチで危ないとこだ、ここ。ホントやめた方がいいのに。
私霊感なるものないけど、ここはヤバい。本能がヤバイって言ってる。
引き返すなら今のうちだ、今引き返さなきゃ絶対後悔する。
私戻るよ。そういいかけた時だった。

「怖いよ、怖すぎる! 皆で手を繋いで入ろうよ!」
「あ? 手ェ繋いで?」
「いいんじゃないか。そうでもしないと、桃井が来ないだろう」
「ホント!? やったあ、ありがとう赤司くん! 瑞希ちゃんとテツくん、手繋いでもらっていい?」
「はい、いいですよ」
「もちろんいいよ。で、なんで紫原が私と手繋いでるの?」
「瑞希ちん強そうだからー?」

いや、疑問で返されても困るんだが。もう気にしない方がいいのかな、これ。
細かいことを気にする暇もなく、私達はトンネルの前へ。
なんだろ、嫌な予感がする。寒い。夏なのに鳥肌がたってる。
ひんやりとした冷たさじゃない。不気味な寒さ。なんだろう、気持ち悪い。
それをうったえるより先に、バスケ部が前に進んでいた。
赤司の持ってる懐中電灯が中を照らす。気休めにしかならないけれど、ないよりはましか。
ちなみに赤司と緑間は片手が空いている。
空いているといっても、赤司は懐中電灯を、緑間はおは朝のラッキーアイテムを持っているから、自由はきかないのだけれど。
特に何も起こらず、もうそろそろトンネルを抜けるだろうという時だった。
いきなり右足首が誰かに強くつかまれ、そして強く引っ張られた。
耳元で聞き取れないけど何かが聞こえた気がする。なんなのこれ、イタズラかよ。後でやったやつ殺す。
転びそうになったけど、慌ててバランスをとって、手を振り払った。
ホント、タチが悪い。今やるべきじゃないだろ、視界が悪いんだから二次被害が出たらどうするんだ。
そんな風に内心文句をたれていると、トンネルをぬけた。
ギラギラと照りつける太陽の中、各々で感想を述べている彼らに、私は不機嫌さを隠さずに言う。

「あのさ、さっき私の足引っ張ったの誰だよ。転びかけただろ、ふざけんなよ。やったやつ死刑な、死刑」
「え? 私やってないよ?」
「俺もー」

さつきちゃんと紫原の後に続いて、他のメンバーも違うと否定する。
じゃあなんで私は転びかけたんだよ。私転ぶこと滅多にないし、引っ張られた感覚だってちゃんと残ってる。
私の足首を掴んだのは、生身の手だった。それは間違いない、生身の手以外であんな感覚のものないし。

「大体、俺達には不可能だ。手を繋いでいたんだ、離せば気付くだろう?」
「じゃあ、私が嘘をついてるとでも?」
「そうとは言っていないだろう?」
「…オイ岡崎」
「何さ緑間。お前も私を嘘つきだって言うのか?」
「そうではないのだよ。右足首の手形、朝にはなかったはずだが、どうしたのだよ」
「は?」

緑間に指摘されて、足首に目をやる。するとそこには真っ赤な手形がついていた。
強く掴まれすぎて、鬱血したような。そんな手形がそこにはあった。
もちろん、緑間が言った通り、朝にはこんな手形なかった。
ということは、さっきの手、か…?
考えただけで鳥肌がたつ。こんなに鬱血したような手形をつけるには、相当な力で掴まなくちゃならない。
でも私が掴まれた時、痛みなんて全くなくて。強く掴まれたは掴まれたけど、痛みがあったかといえばそうではない。
周りの人がやったという可能性もあるが、残念ながらそれはおそらくない。
だって私達が入ったときには、周りに人はいなかった。
ああ、頭が痛い。だからやめようっていったんだ。

「岡崎、もしかして…」
「ああ、そのもしかしてだよ。これは人間にやられたもんじゃないよ、恐らく。だから帰ろうって言っただろ」
「…悪かった」
「もういいよ、廃線の端まで行ったら、駅あるでしょ。そこから帰ろう」

私がそういうと、全員が頷いて歩きだした。
ふときになってトンネルを振り返ると、そこにはぼんやりと白い男が立っていて、私に向かって必死になにか言っていた。
その顔に赤いものが流れていたような気がするけれど、よく分からなかった。
とにかく、ここから早く離れた方がいい。
そう判断して私は数十メートル先を歩いている彼らに走った。

それから私に霊感なるものが芽生え、強くなっていくのはまた別の話だ。


私が小学校のときに行った廃線での出来事。
帰るまでにもまだありましたが、そこは長さ的に割愛させていただきました。
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