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「宮地ー、ポッキーゲームしようよ」
「は? 受験勉強のストレスで頭おかしくなったか? 高尾にでも付き合ってもらえ」
「やだ、宮地がいいんだもん」

宮地は単語帳から目を離さない。バスケで勉強する時間がないから、休み時間はいつもこうだ。
少しぐらい構ってくれたっていいじゃないか。私だって受験生だけど、宮地ほど危機迫ってる感覚はないもん。
しかも高尾に付き合ってもらえとか、なんでそうなるの。私は宮地とポッキーゲームしたいからこう言ってるのに。宮地以外とは無意味なの。大体宮地の言う高尾が誰なのかすらわからないし。見ず知らずの人とポッキーゲームとか絶対やりたくない。死んでもやるもんか。
ポッキーの一袋をあけてガサガサと振ってみるけど、宮地は全く興味を示さない。ずっと単語帳とにらめっこ。
…宮地のばか。そんなに単語帳が好きなら単語帳と結婚すればい。
ぷくっと頬をふくらませて、私はこう言った。

「もういいし。大坪んとこ行ってくるもん。大坪ならポッキーゲームしてくれるもん」
「…は? 何言ってんだ、轢くぞ」
「だって宮地は単語帳が好きなんでしょ? そんな人に無理強いはしないし。単語帳と仲良くにらめっこでもしてれば?」
「…分かったよ、やりゃいいんだろ! さっさとしろ!」

私をぎろりと睨んで、宮地は隣の席を示した。全く宮地はめんどくさい性格してる。最初からやるっていえばいいのに。
宮地が示した席に座って、チョコのついてない方をくわえる。宮地にチョコの方譲ってあげるとか私すごく優しい。
宮地が反対側をくわえて、示しあわせてもないのに同時にポッキーをかじっていく。
宮地は私から視線を外したまんま。そんなに私の顔が見たくないのか。ほんと失礼だと思う、宮地のバカ野郎。
内心そう罵ってはいるけれど、心臓はバックバクしてる。だって私宮地の事好きだし。宮地の顔がすぐ目の前にあるとか、緊張以外のなんでもない。
もうそろそろ折らなきゃキスしちゃう。そんな長さまでポッキーを食べた頃、私はポッキーを折ろうとした。流石にキスしちゃ宮地が可愛そうだからね。
テコの原理でポッキーを折ろうとした瞬間、宮地が私の頭を押さえつけて顔をぐいっと近づけてきた。
残りのポッキーは宮地の口の中。双方の距離がゼロになって、私の頭は真っ白だ。
どうして宮地がこんなことするの。そればかりが頭の中をめぐり続ける。
顔を離した宮地は赤い頬をしていて、相も変わらず私から視線を反らしていた。

「…キス、したくなんだろ、察せよ」

照れて恥ずかしそうに言った宮地に返す言葉なんてなくて、じわじわと熱を持った頬を必死に隠すしか出来なかった。
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