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瑞希のシャンプーが変わった。俺が勧めたシャンプーじゃない。昨日買い物に行ってたドラッグストアーが取り扱ってないせいか。言ってくれれば買ってきてあげるのに。瑞希は遠慮しすぎなんスよね。俺に頼ってほしいのに。
昨日の夕食はハンバーグとポタージュスープ、それからサラダだったっスよね。今日のお弁当にもハンバーグ、入ってるんスよね? だから朝からご機嫌なんスね。隠してるつもりでも、俺にはちゃんと分かるっスよ? だって毎日瑞希をみてるんスから!
今日のヘアゴム、三日前に買ってたやつっスね。薄紫と黄色で悩んでたの、よく覚えてるっス。黄色にしたの、俺嬉しかったんスよ? だって黄色は俺の色っスから!
今日も一緒に登校できて嬉しいっス、俺が瑞希を守るんスから! 怯えた顔で回りをみなくても大丈夫っスよ! ちゃあんと俺が周り見てるから! 瑞希は俺に笑いかけてくれればいいんスよ?
あ、まだおはようって言ってなかったっス。俺ったら瑞希を守ることに気をとられすぎてたっス、ごめんね瑞希。

「瑞希っち! おはよっス!」
「! あ、黄瀬君……。おはよう……」
「どうしたんスか? 元気ないっスよ? 悩み事なら俺聞くけど……」

恋の悩みだったらどうしよう。瑞希が俺以外の男を好きになるはずないけど、でももし俺以外に恋してたら。俺はどうしたらいいんだろう。
これだけ瑞希に尽くしてるのに、それが伝わってないのなら。俺、そんなの信じないっスよ、瑞希にふさわしいのは俺だけなんスから。
他の誰でもなく。この俺。黄瀬涼太こそが瑞希にはふさわしいんス。もし瑞希が俺以外の男が好きだなんていったら、俺その男殺しちゃうかも。だって瑞希には必要ないっスもん。瑞希には俺がいれば十分でしょ? 瑞希が俺を選ぶのは運命なんスよ、生まれたときから決まってた運命なんス。他の男選んだって仕方ないじゃないっスか。
もしそんなことがあったら俺、きっぱり言えるっスよ、瑞希が騙されてるって。瑞希がその男に嘘を吹き込まれたんだって。俺、瑞希が信じてくれるまで、何度でも言うよ。だから、間違っても俺が好きってこと以外言っちゃダメっスよ?

「あのね、最近、ストーカーされてるような気がするの」
「ストーカー、っスか?」
「そう、ストーカー。自意識過剰なのかなって思ったんだけど、でも……」
「でもなんスか?」
「でも一晩中家の近くにいるし、私の部屋を見上げてるし……。警察に相談したほうがいいのかな……」

怯える瑞希はひどく脆く見えた。可哀想な瑞希。ストーカーに悩まされて夜も寝られないんスね。だから今日寝たのが二時だったんスか。通りで眠そうにしてると思ったっス。だって四時間しか寝てないっスもんね。
昨日窓からチラチラ顔を出してはすぐに部屋の中に戻ってたのは、俺に会いたいからじゃなくて、ストーカーが怖かったからなんスか。俺瑞希を守ってるのに、ストーカーに気付けないなんて、ダメダメじゃないっスか……。
今日からはもっと警戒しないと。瑞希が安心して眠れるまで、瑞希の警護にもっと力を入れないとダメっスね……。ストーカー見つけたら、ちゃんと殺しておくっスから安心してほしいっス! 瑞希を怯えさせて、俺の瑞希を見たんだから当然の報いっスよね!

「瑞希っち! 安心してほしいっス! 俺が瑞希っち守るっスよ!」
「え、黄瀬君が……? でも部活もモデルの仕事もあるし、迷惑なんじゃ……」
「迷惑なんてそんなことないっスよ! 瑞希っちは俺の大切な子だから、怖がってるとことか、見たくないんスよ! ね? だから俺に任せて?」

俺がそういえば、瑞希は少し顔をほころばせてありがとう、と笑った。ああ、その顔写真に撮りたかったっス……。
でも瑞希が安心してくれたから、俺の心はちょっと晴れた。瑞希、今日から一晩中ずっと瑞希を守るために瑞希の家の近くから部屋を見ながら、ストーカー探しておくから。今日も窓から顔出してくれると嬉しいんスけどねえ。


――
Twitterで滾ったので勢いに任せて。
黄瀬をあまり書かないので黄瀬になっているか不安ですが……。
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