QLOOKアクセス解析It was ________. | ナノ

俺が問うたのは、単なる興味だった。
親しげな会話に対する、純粋な、ただの興味だった。

It is interest.

チームメイトの高尾と親しげに会話を交わしていたクラスメイト。
もしかしたら、高尾の彼女なのかもしれない。
春休みから練習で顔を合わせているが、そんな影は全く無かったのだが…。
チームメイトだからと言って、人間関係まで話さないといけないわけではない。
俺の練習を邪魔さえしなければ、高尾がどんな人間関係を築いていようが関係ない。
だが高尾は、俺の隣に座る女子に、他人とは明らかに違う接し方をした。
しかもその眼中に俺の存在を全く写さずに。
ホークアイの持ち主なら、いや、普通の人間でも、俺が目に写るはずだ。
話しかけている女子よりも、俺の身長が高いのだから。
そうにも関わらず、高尾は俺に気付くことなく教室から出ていった。
俺を見つけたならば、しつこいほどに絡んでくる高尾が、だ。
そこから考えられるのは、隣の女子が高尾にとって特別な存在であるということ。
いくら恋愛に疎い俺でも、もしかしたら彼女なのでは、という推測はできる。
十分な思考をする前に、俺の口は勝手に動いていた。

「おい」
「はい?」
「お前は高尾の彼女なのか?」

まさか。
そんな声が聞こえた気がした。
目の前の女子は、何も言葉を発していない。
俺が勝手に表情から答えを予測してしまったらしい。
問われることに驚きを隠せない、そんな顔をした女子が、すぐに少し困ったような笑顔を浮かべ、口を開く。

「まさか。私と和成はただの幼馴染なだけ」

もう何度もそう答えてきたのだろう。
隣の女子は、もう慣れきってしまったかのように、その言葉を紡いだ。
そのくせに、本人はひどく寂しそうな顔をするのだ。
何に対してそんな顔をするのか、俺には分からない。
だが、俺はそんな顔を見ていたくなかった。
理由は、ない。
ただそう、自然と思っただけで、特に深いわけがあったわけではない。
それなのに、俺は適当に収集がつくまで言葉を発し、席を立った。
そのまま教室を後にして、階段を降りながら、高尾にさっきの女子のことを聞いてみようなどと、俺にしては珍しいことを考えていた。

(行動に深い意味はなかった)
(思考にもそれは言えた)

(ただの興味のはずなのに)
(なぜこんなにも気になるのだろう)

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