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2013.03.06.Wednesday

――僕の嫌いな人の話をしよう。
図書室で本を読んでる、一学年上の女の人。
遠目で見る分には清楚で綺麗な人だと思える。だけどそれは詐欺で。
近付けばいやでも目に入るその人の目。僕をえぐって、刺して、探るようなぎらぎらしたそれがまず苦手だった。

「今日も来たの? 暇人ね、友達いないの?」
「別にそういうわけじゃないです」
「へえ、残念。つまらないなあ、私だけが友達じゃないんだ」

コロコロと声をあげて笑う彼女だけど、目は笑ってない。笑うはずがない。
不自然な目は、じっと僕を見つめている。変に目が据わっている辺りが不気味で仕方ない。
きっと彼女は僕を逃がす気なんてさらさらないんだろう。
栞を挟んでいないのに本を閉じて、僕の手を痛いほど握った。

「つまらないなあ、本当につまらない。私以外の人間なんて、関わってどうするの? 低俗な思考を見ておもしろい?」
「…手、離してもらえますか」
「いーや。離したら私以外の誰かのところに行っちゃうもん。そんなの私がつまらないじゃない」

だからどこにも行かないでね。
ニコリと綺麗な笑顔が貼り付いても、彼女の目は笑わない。いつもの無機質なビー玉を思わせる冷たい目のまま。まるで目だけ感情が死んだような錯覚に陥る。
ギリリ、と力の込められた手は、僕の手の甲に深く爪痕を残すだろう。それが狙いなのかもしれないけれど。
休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴っても、彼女は僕の手を離さなかった。
はあ、これはもうサボるしかないのか。諦めて僕がため息をつくと、彼女はもっと笑みを深くして二人で一時間過ごせるねとだけ言った。
この人のここが僕は嫌いだった。僕がいないと何もできない上に、何かしら僕につきまとうところが。


ここまで。
書いてるうちに夢主が病んでるというか、頭が飛んだ子になったのでここでやめました。
ゲシュタルト崩壊しそうなんですが。書いた本人がゲシュタルト崩壊しそうって…。


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