白い天井、ふかふかのベット、細い管が腕刺さっている。
病院に高橋キイはいた。
何故、自分はここ(病院)にいる?起き上がった彼女が思ったのはそれだった。
依頼を受けて、神社に来て、鬼に刃を向けたら爆発して。大怪我をしたというのはなんとなくわかっている。だけど彼女の友人たちはきっと彼女の友人たち病院ではなく、家に連れていく筈だから。
まず、その仲間たちは何処(いずこ)に。あの後の記憶がない。
ぼーっと黄昏ていた彼女は、はっと閃いた。
まさか……、
「知らなかったや…。うちテレポーテーションできたんだ」
「んなわけねーだろ!」
シャーッとカーテンが開き、少年が顔を出した。
少年を見て、キイは珍しくキョトンと目を丸くした。
「どなた?」
金髪金目の少年。
日本では染めない限りなかなか珍しい色。
しかし如何せん、周りが外人にもいなさそうな有り得ない毛色やら目色なため(それがほとんど妖怪達なのだが)、特に気にせず少年に接する。
「エドワード・エルリック。国家錬金術師だ」
「………錬金術師?」
「あぁ、怪我大丈夫か?」
「あ、うん大丈夫ってか、え?
錬金術?」
「?おう」
「…………」
あれ、なんか、おかしい。
「ちなみにここ何処ですか」
「どこって病院…」
「ちがー、もっと全体的に…国?」
まず、なんで外国の少年がいるんだ。
「?アメストリス国だけど…」
「………………………」
「………………………」
は い ?
「……………。」
少し考えて、赤ん坊のようにはい近くの窓を開ける。
そして、見た。自分が暮らす土地、風景、全てが、違った。
「………。」
何処だそこ。
「つーか、大丈夫か?」
「ん?」
「お前、教会で血だらけで倒れてたんだぜ」
「血だらけ…」
「あと、これ、」
キイは少年エドワードが持ってるものを見た。
それは刀。見覚えのある、黒の柄。
「あ、閃紅」
「せんこう?」
「その刀の名前。どうもありがとう少年…」
そう言って刀に手を伸ばしたが、スカッと、気持ちのいいくらいその手は空を切った。
「…」
「…」
もう一度手を伸ばすが、またもスカッとよけられる。
「なに?」
「お前、何があった?」
「はい?」
「経緯を教えろって言ってんだよ、お前がそんな大怪我になった理由。
こちとら命助けてやったんだ、教えるのが筋だろ」
うら言えっ、そう言ってふんぞり返るエドワード。
どうやら言わないと返す気はなさそうだ。だから、素直に答えた。
「………は?」
「爆発くらって、気づいたら助けられてました。ぶっちゃけ、ここがどこだか皆目検討つきません」
生憎、アメストリスなんて国は聞いたことがない。
イコール、
「帰る場所がありません。助けてください」
「はぁ!?」
(それは偶然だったのかそれとも故意にであったのか)
@いやただ、そこにいたのが彼だっただけで、
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