まず、言っておく。

このおれ、氷帝学園テニス部レギュラー所属、忍足侑士14才は、ヘタレなどでは無い。

例え相棒に「侑士はヘタレだろ」などと言われようが、ムカつく女に「忍足の血はヘタレ属性だろー、あの従兄弟?謙也くんとかあれヘタレじゃん」などと言われようが、おれは断じて、断じてヘタレなどではない、あんなアホ謙也と一緒にしないでほしい。

つーか、なにが「忍足の血はヘタレ属性」やあの女、失礼にもほどがあるっちゅーねんホンマ腹立つわ。

せや、あの時もそうやった。
おんなじクラスで隣の席。初めて見たとき美人やなくらいにも思っとった。けどわざわざ部活に顔出されて「落とし物拾った」言われても、自分でいうのもあれやけど、そら最初はまた質悪いファンの子や思うてまうやん?
せやからその落とし物やらをさっさと貰ってさっさと帰ってもらお思ってたんや。
悪気は無かってんで?
したら岳人が「どうせ追っかけなんだろさっさと消えろ」って言い切ってもうてな、さすがに言い過ぎや思ったんやけど、ぶっちゃけおれもそう思ってたから特になんも言わんかってん。

したらやで?あのアマ、いきなりおれのこと殴りつけたんや!!しかもグーで!!言ったの岳人やねんに!(いや岳人を殴れ言うてんちゃうけど)
部員はみんながみんな口ぽかん開けて、あの跡部さえ唖然としてたん今でも忘れられんわ。
当たり前やろ女にグーで殴られたんそれこそはじめてやで!

ホンマ冗談やないっちゅーねん!!


……あかん、あの女ごときに脱線してもた。

兎に角、なにが言いたいかっちゅーと、おれは断じてヘタレ属性やないってことや。
好きな女にまともなアピールできへんとか、「好きな女にもろくに話も出来なそうププッ」とかなんてそんなん絶対あらへんで。


見てろ、あの女!!!


「あ、忍足ーなにしてんの」

「っな、なな、なんやねん、なんもしてへんわ用も無く呼ぶなアホ女!!」

「用があるから呼んだんじゃんなにどもってんのウケるわー
でさホラ、アンタこの映画見たがってたじゃん
友達に二枚貰ったから誰かと行ってきなよ」

「え、あ、ああ…」

「あ、なんならあたしと行く?」

「は…、は!!?な、なに言うてんねんアホか!」

「はは、冗談だっての
あ、向日ー話聞いてたっしょ?忍足に付き合ってあげてよ」

「………………」

「そんじゃ、楽しんでねー」

「……………………」

「……………………」

「…侑士、やっぱお前ヘタレだ」



「なっ、ナニしくされとんねん!!」

「テメエがなんなんだよここは東京だ標準語話せコラ」

「はっ!?」

「見てて腹立つんだよナニ友達に言わせてんの?言いたいことあんならテメエで言えよコッチはせっかくテメエの定期と生徒手帳、部活だからとかで持ってきてやったっつーのにテメエらのファンとやらに絡まれるわあのキャラキャラした女共の同類にされるわ挙げ句の果てにはさっさと消えろだあ?
ふざけるのも大概にしろやそのセールスマンみたいな胡散臭くて薄っぺらい笑顔貼り付けてテニスやってて自分モテモテとか思ってんの?自意識過剰にもほどがあんだよ、言ってることわかる?ん?このあたしがそのスカッスカな脳みそに入るようににわかりやすーく言ってやるよ

女がみんな、テメエらに媚びうる雌豚フェロモン分泌マシーンじゃねーんだよ糞野郎」




「お前も趣味悪いよなー」

「…せやなー自分でも不思議やわ」



「…ほんま、なんであんな女に惚れとるんやろ…」


@ヘタレとツンデレは紙一重
(愛のムチってやつか?グーやけど)


ヘタレ侑士くんですいろいろサーセン!!
しかしヒロインキャラ濃いな。跡部でさえ「雌猫」なんに…「雌豚」って…キレたら怖い的な。

あーなんかスッキリした。久々だからかな、楽しかった^^




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