旅行へ行こうの段 ●小平太のバヤイ● 「……」 「…(え、何これ。何で小平太真面目な顔して正座してんの?え、私何かしたっけ…)あ、あの…小平太?」 「あのな女主…」 「っはい、なんでしょうか…」 「旅行に行かないか?」 「……旅行?え、旅行!?」 「イヤか?」 「い、いや…イヤじゃないけど…。あの、それだけ?」 「ああ」 「…(真剣な顔してたからもっと真面目な話かと思った…。なんだ、旅行か。小平太とだし別にイヤじゃない)うん、いいよ」 「そうか!」 「(っ可愛い!その笑顔、超可愛い!)因みにどこ行くの?あ、サバイバルとかじゃないよね?」 「ちゃんと予約も取ったぞ!」 「へー…いいとこそうだね。旅館だー、素敵ー」 「因みに明日出発だ!」 「明日!?え、…ちょっ、私の予定は!?」 「それと、女主。覚悟決めて来いよ」 「………その覚悟とは、一体なんの覚悟でしょうか…」(ビクビク) 「勿論セッ「あーもういい!喋らないでいい!よぉく解った!」 「そうか?昼は遊んで夜はヤるからちゃんと寝て来るんだぞ!」 「あー、言っちゃった!ヤるって言っちゃったよこの人!せっかく止めたのに台無し!もっとこうオブラートに包んで下さいよ!」 「私はストレートが好きだ!」 「もうなんなのこの人…。肉食系男子じゃなく、肉食男子だよこの人…!最初はすっごくよかったのに最後で残念だよ!」 肉食男子=ケダモノ ●長次のバヤイ● 「どうしたの、長次?何か言いたいことがあるんじゃなかったの?」 「……」 「…えっとね、私ちょっと用事があるから…その…。あとでもいい?」 「…」(フルフル/首を横に振ってる) 「じゃあ…なんでしょう?」 「………旅行に、行かないか…?」 「え?」 「……」 「旅行?…誰が?」 「…私と女主で」 「……えッ!?わ、私と長次の二人で?あ、小平太もいるとか?」 「…」(フルフル) 「ふたっ、二人っきりで…旅行…ッ!?え、あの…嬉しい、けど…その…!(長次と二人っきりでなんて恥ずかしいよ!でも嬉しい!あ、旅行の本にインデックス張ってる!色々考えてくれたのかな…。だったら嬉しいな!)」 「……無理とは言わん。お前の都合もあるしな…、すまなかった」 「ち、違うの長次!えっと、嬉しすぎて恥ずかしいっていうか…。あの、私でよければ是非連れてって下さい」 「…」(コクン) 「えへー、すっごく楽しみだねー!色々食べたいし、見て回りたいな!あと私旅館がいい!長次も旅館がいいよね?」 「………」(ジーッ) 「…な、なに?はしゃぎすぎ?」 「…恋人と言え、男女で旅行に行くんだ。その……」 「……(全てを悟った)…ッ!だ、大丈夫デス!」 「無理はしなくていい…。女主がイヤなら手は出さない」 「長次…!ありがとう、長次!ますます旅行が楽しみになったよ!」 「ってことがあったのー!」 「なにそれ自慢?あーあー、いいですね。おたくの彼氏は肉食系紳士で」 「おたくの彼氏は肉食男子ですもんね!頑張って!」 「そんな目で私を見るな!」 肉食系紳士…これは流行る! ●勘右衛門のバヤイ● 「ねーねー女主ー」 「んー?どうしたの勘ちゃん。新しいお菓子でも見つけたー?」 「ざーんねん!あのね、今週の土日、暇?」 「今週の?うん、暇だよ」 「何かしようとしてた?」 「んー…特にはないかなぁ…」 「そっか!」 「…どうしたの?」 「今週の土日、暇なんだよね?一緒に遊びに行かない?」 「勘ちゃんと?うん、もちろんいいよ!」 「じゃあ一泊分の荷物持って、朝8時に駅集合ね!」 「………え?…あの、私の耳が悪いのか知れないけど、なんかすっごいことが聞こえた気がするんだけど…」 「ううん、俺の言い方が悪かったから。えっとね、今週の土日、一緒に旅行行こうね!」 「勘ちゃんと二人で!?」 「そうそう!」 「いや、それはちょっと…」 「でも暇だって言ったよね?一緒に行くって言ってくれたし。やっぱなしは勘ちゃんに通じませーん!」 「えーっ!?そ、そんなのズルいよ!」 「ズルくないよー、策士って言ってほしいな」 「ウインクしたって可愛くないんだからね!まぁ…勘ちゃんとなら楽しそうだからいいけど…」 「ふーん、そんな無防備なこと言っちゃうんだ。でもそういうことだから、ちゃんと可愛い下着つけてきてね!」 「えええええ!?かっ、勘ちゃん!?」 「じゃあ俺教室戻るねー!あー、楽しみだなぁ!」 草食系に見えた肉食系男子 ●八左ヱ門のバヤイ● 「あ、あのよ女主っ!」 「…真っ赤になってどうしたの?珍しく風邪でも引いた?」 「ひ、引いてねぇし!お前に言いたいことがあるんだ!」 「なに?また虫取りに付き合ってほしいの?別にいいよ」 「え、マジで?……っじゃなくて!」 「じゃあなに?」 「えっと……。お前さ、今週の土日、暇…?」 「うん、超暇」 「なら俺と一緒に旅行行かないか!?(い、言えたーっ!言えないままだとせっかく予約したのがパーになっちまうからな!ほんと言えてよかった…)」 「旅行!?え、ハチと!?え、え、どこに!?あとそれ旅館!?」 「お、おお…。(な、なんだよこいつ…。すっげぇ食い付き…。いや、嬉しいけどさ)」 「さっすがハチ!いいチョイスしたね!私旅館好きなんだよねー。旅行も大好き!」 「……いいのか?」 「いいよ!むしろ私でいいの?」 「お、お前がいい!女主と行きたい!」 「ありがとー。ハチと一緒にいると楽しいから私も嬉しいよ!色々食べて回ろうね。あ、観光地とかも回りたいねー。っていうかどこに行くの?」 「(喜んでくれんのはいいんだけど、なんか…抵抗なしに言われると男としてショックなような…。へ、部屋一つって言ったらさすがに驚くか?)」 「ハーチー?」 「―――部屋、さ…。一つしか取れなかったんだけど…!」 「そうなの?じゃあ夜は楽しくトークだね!」 「あ……ああ、そうだな…めっちゃ楽しみ…。(くそ、今回も告白ダメそうだ…)」 「(ハチと一緒の部屋ってことは…その……そういうのはないよね…?付き合ってるわけじゃないし…。はぁ…)」 肉食系に見えた草食系男子 ●兵助のバヤイ● 「なあ、京都に行かないか?」 「どうせ豆腐でしょ。行かない」 「……。…そうだ、京都へ行こ「行かない」 「ならどこがいいのだ。言っておくが、豆腐が美味しい旅館しか許さないからな!」 「その前に「旅行に行かないか?」ぐらい言えないの?優秀なのにバカなの?」 「人間、好きなものを目の前にすれば自我も崩壊するさ」 「兵助いつもじゃん。もー、豆腐ばっか…。少しは雷蔵くんや八左ヱ門くんみたいな隠れマッチョになってよ」 「そもそも比べる相手を間違ってる」 「豆腐ばっか食べてると重たい荷物も持てない、しょうもない男子になっちゃうよ」 「(ムッ)あの二人ほどじゃないが、俺だってそれなりに力持ちだ」 「嘘ばっか。ほら、早く日誌書いてよ。あとは兵助だけだよ」 「本当だ。女主を抱っこするぐらい余裕だ」 「え、ちょっ…!きゃああ、なにっ…え、何!?」 「ほら、余裕だろう?」 「バッ、バカ兵助!早くおろして!」 「一緒に京都へ行ってくれるなら」 「決め顔したって格好よくないんだからね!」 豆腐王子は力持ち ●伊作のバヤイ● 「ねえねえ、一緒に「行かない」ぎゃふん!」 安定の不運落ち ( TOPへ △ | ▽ ) |