たけじゃらしの段 「おーい孫兵。ジュンコがまた脱走しかけてんぞ」 「あー!ダメだよジュンコ!散歩に行きたいなら僕を誘ってくれなきゃ!」 「三治郎、ちょっと餌やりすぎ。こいつは今減量中」 「えへへ、すみませーん。ついつい…」 「一平、宿題するなら部屋帰ってしろ。解んねぇことあるならあとで見てやるから」 「本当ですか、竹谷先輩!じゃあ今すぐ教えて下さい!」 「虎若ー…、頼むからちゃんと戸を閉めてくれ…。また脱走しちゃうだろ」 「すみません竹谷先輩!ちょっと急いでて…」 「孫次郎、そこ気をつけろよ。あと、そっちも。ちゃんと前見て歩けー」 「竹谷先輩ぃ…、これ重たくて運べません…!」 「んー……」 「なんですか、男主先輩。俺の顔に何かついてますか?」 「んー…いやー…。………あ、ほれほれ」 (ねこじゃらしを竹谷の前で動かす) 「ほーれほれ。どうだー、楽しいだろー?」 「……何してんすか。俺人間ですよ。猫ではありません」 「あー、そうだな。悪い悪い」 「悪いと思うなら目の前でじゃらさないで下さい!」 「だってさー、俺放置じゃん。楽しくねぇし」 「子供じゃないんですから拗ねないで下さいよ…。何歳なんですか…」 「とかなんとか言って、ちょっと嬉しそうだね」 「だっ…(って、先輩が拗ねるとか滅多に見れねぇし…。つーか俺のこと構ってくれるのが嬉しくて…)」 「(今こいつが何考えてるのか手に取るように解るわ)ま、適度に先輩の相手をしなさいよな」 「は、はい!」 「おう、いい返事だ!」 「(な、撫でられた!)……って、俺ガキじゃありませんよ!」 「あはは、すまんすまん!」 ( TOPへ △ | ▽ ) |