おまけの段 「このヘタレが」 「んなこと言ったってしょうがねぇだろ!楓本気で泣いたんだぞ!?」 「問題はそれからなんだよ!何で、「泣いて許されるとでも思ってんのか?」ってぐらい言わなかったんだよ!」 「そんな冷てぇこと言えるか!どんな人でなしだ!」 「だからお前はダメなんだよ!このダメ飼育委員が!」 「そこまで言うなら三郎が一緒に寝てやれよ!そして俺と同じ苦痛を味わえ!」 「それは断るって何度言わせれば気がすむんだこのバカッ!」 「バカだと!?おい、楓!楓ーっ!」 「―――なにー?呼んだぁ?」 「三郎が今日一緒に寝ようだって!」 「おまっ、八左ヱ門貴様ァ!」 「え、ほんと!?三郎一緒に寝てくれるの!?」(甘えモード発動) 「うっ…!」(効果は抜群だ) 「そうだ!三郎と雷蔵と一緒に寝たいな!双忍サンド!なんちゃって」 「ら、雷蔵も?それは止めないか?(雷蔵に怒られてしまう…!)」 「えー…きっと温かいのに…」 「あっ、そうだ!私冷え性だから一緒に寝ても温かくないぞ!やはり八左ヱ門と一緒に寝たほうがいい!」 「三郎!」 「なに、嘘はついてない」 「そうなの?じゃあ私が温めてあげるよ!」 「そうきたか!」 「ざまぁ!」 「黙ってろモップ!」 「誰がモップじゃゴラァ!」 「あ、三郎いた。もー、日誌の当番忘れてるよ」 「らいぞー!丁度いいところに来た」 「どうしたの、楓」 「今日、三郎と一緒に寝ることになったんだけど、雷蔵も一緒に寝ない?双忍サンドしてほしいな!」 「いつ一緒に寝るなんて言った!?雷蔵、これは誤解だ!」 「三郎、余計なことしちゃったの?」(雷蔵様降臨、満を持して) 「違うッ!ハチの奴が勝手にそんなこと言っただけなんだ!」 「全部俺のせいかよ!違うぞ雷蔵!元はと言えば三郎が真面目に俺の相談にのってくれねぇから!」 「二人の話はあとで聞くよ。ねえ、楓。嬉しいけど一緒に寝れないよ」 「何で?最近寒いから一緒に寝たほうが温かいよ?」 「うん、でも楓は女の子でしょ?嫁入り前の女の子が知らない男と一緒に寝たりしたらダメだと思うんだ」 「さっすが雷蔵!どっかのバカより頼りになる!」 「さっすが雷蔵!どっかのヘタレより頼りになる!」 「二人は黙ってて」 「「はい…」」 「だから、楓のお誘いは嬉しいけど「雷蔵も三郎も知らない男じゃないよ?」………あー、ダメみたいだね」 「諦めるの早いよ雷蔵!もっと頑張って!頑張らないと一緒に寝ちゃうことになるんだぞ!?」 「俺そろそろ限界なんですっ…!頑張って下さい、雷蔵様!」 「んー、でも楓が寝たいって言うならいいんじゃない?減るもんじゃないし」 「エンジェルスマイルで爆弾発言しやがった!三郎、雷蔵はもうダメだ!兵助と勘右衛門呼んでこい!」 「任せろ!」 「連れて来たぞ!」 「早いなおい!」 「どうしたの?」 「豆腐食い終わるまでもうちょっと待ってくれ」 「お前いつでも食ってるだろ!ちょっとそれ置いとけ!」 「何を言う八左ヱ門!この瞬間の豆腐を味わえるのは今しかないんだぞ!?」 「そのあとに食べる豆腐も美味しいかもしんねぇだろ!?」 「っ…!そ、そうかっ…それもありだな…!」 「はいはい、バカは置いといて。勘右衛門、楓の暴走を止めてくれ。因みに最終兵器の雷蔵様は既に諦めてる」 「三郎、事情も解らないのに止めれるわけないだろ?もう…。楓、二人になんて言ったの?」 「一緒に寝ようって言った!」 「……。いいんじゃない?ほら、減るもんじゃないじゃん?」 「雷蔵と同じようなこと言いやがった!ていうか早すぎる!」 「ダメだ三郎!勘右衛門も雷蔵同様大雑把だった!」 「くっ、ここは兵助に頼るしかないな…。兵助、頼む!私たちを救ってくれ!」 「そもそも何で楓はそんなに人と寝たがるのだ?」 「だって一緒に寝たら気持ちいいでしょ?温かいし、安心するし」 「それもそうだな」 「まさか…、兵助もダメなのか!?」 「くそー、俺もうそろそろ限界なのに!」 「でもそれは楓の考えだろう?人と一緒に寝るのが苦手な人間だっている。その人間の意思を無視して、楓は自分の思いを他人に押し付けるのか?」 「………」 「兵助っ…!どうしよう、八左ヱ門。今兵助が輝いて見える!」 「だな!片手に豆腐を持ってなければもっと格好よく見えるな!」 「そっか…、そうだよね…。私、皆に無茶ばっか言ってたよ…」 「「(キタッー!)」」 「ありがとう、兵助!もうちょっとで皆から嫌われるところだったよ…」 「嫌うことはないが、気づいてもらえてよかった」 「じゃあ、兵助はいつなら一緒に寝れる?」 「……。…あー、俺の話を聞いていたか?」 「ん?聞いてたよ?兵助が一緒に寝ていい日に寝れば問題ないよね?」 「そう、だが…。え、なにこれ?」 「先ほどからそのような感じです」 「私たちには無理だから雷蔵、勘右衛門、兵助に頼みました」 「俺でも無理だった。楓、一緒に寝るってのがいけないって何故解らない」 「何でいけないの?」 「うん、楓、ちょっとそこで待っててくれるか?」 「え?うん…」 「なんだ、楓はバカなのか?」 「兵助、今更だ」 「鈍感すぎだよねぇ、あはは!」 「雷蔵さん、笑いごとじゃないですよ!?」 「ねぇねぇはっちゃん。楓ってばいつもこんな感じなの?」 「ああ…。で怒って無視したら大泣きされた。すっげぇ良心痛んだわ…!」 「うわー…はっちゃん、やつれてるねぇ…」 「じゃあさ、一回ぐらい楓襲っちゃえば?」 「雷蔵、何でお前さっきから爆弾発言してんの?え、雷蔵ってそんなキャラだったの?」 「だって襲えば楓も解るでしょ?」 「さすが大雑把!そこに痺れるけど憧れない!」 「いや、雷蔵の言う通りかもしれん」 「黙れ似非天才。頼むからお前は黙ってろ。もしくは死ね」 「あんだとヘタレ大魔王!」 「アァ!?」 「もー、落ちつきなよ二人とも。でも俺も雷蔵の言うことに一理あると思うよ?はっちゃんだって、このままだと辛いんでしょ?」 「そうだけどよー…」 「勘ちゃん、八左ヱ門はヘタレだから無理だよ」 「じゃあ僕が楓襲ってあげようか?楓の泣き顔とか困った顔嫌いじゃないし」 「だからッ!雷蔵はどういうキャラ目指してんの!?」 「襲っていいなら私も襲うぞ。色んな意味で可愛いし、楽しそうだ」 「色々無知だから教え甲斐があるかもねー!」 「勘ちゃんまで…。八左ヱ門、どうする?」 「そんなことさせるかぁ!楓は俺が守る!寝不足になってでも守る!」 「そう。なら頑張ってね!さて、三郎、日誌書こうか」 「すっかり忘れてた。すまない、雷蔵」 「兵助、一緒にお団子食いに行かないか?」 「新しい豆腐も買いたいのだ」 「……お、お前ら最初っからそのつもりでっ…!」 『あとは任せた!』 「くっそー!」 「話し終わった?」 「楓、部屋に居づらくなったらいつでも僕たちの部屋に来ていいからね」 「そのときはちゃんと布団持ってこいよ」 「俺たちの部屋でもいいけど、そのときはお菓子よろしくー」 「豆腐でも可」 「うん?えっと……解った」 「楓…」 「どうしたのハチ。疲れてるよ?」 「一緒に寝てもいいが、当分の間一人で寝かせてくれないか…?」 「え、うん…。あの…本当に大丈夫?甘いもの食べる?」 「疲れた…。寝かせてくれ…」 「じゃあ布団敷いてあげる。今日は大人しくしてるからね!」 「おう、頼んだ…」 「というわけで、今日明日だけお泊りにきちゃいました!」 次回、お泊まりの段に続く。 ( TOPへ △ | ▽ ) |