おまけの段 「ハーチィー!」 「そのまま抱きついてきたら怒るぞ!」 「―――っと…、そうだった。ごめんね、ハチ」 「(あれ…。いつもだったらあんなこと言っても抱きついてくるのに…)」 「あ、勘ちゃんみっけ!勘ちゃーん!」 「楓じゃん。どうしたの?」 「とーう!」 「うわっ!」 「えへへ、やっぱり勘ちゃんもあったかいね!」 「楓は冷たいな。よし、俺が抱き締めて温めてあげるよ!」 「苦しいけど温かい!勘ちゃん最高ですっ」 「俺も柔らかくて温かくて気持ちいーよ!…あれ、八左ヱ門。そこで何してんの?」 「別に…。(だからって勘右衛門に抱きつくなよな!やっぱあいつ根本を解ってねぇや!)」 「勘ちゃん、雷蔵はどこにいるか知ってる?どうせなら雷蔵も混ぜてあったまろうよ!」 「いーねぇ!じゃ、一緒に探しに行こっか」 「うん!じゃあね、ハチ。またあとからー」 「(俺に抱きつけなくなったからって勘右衛門と雷蔵に抱きつくの止めろ!抱きつくなら俺にしろよ!)」 「八左ヱ門」 「あ?…ああ、三郎か。何だよ」 「それは人を我儘だと言う」 「はぁ?」 「いや、なんとなくお前の心の声が聞こえてな。ともかく、楓が勘右衛門や雷蔵にべったりにならないためにも、抱きつき禁止は解除したほうがいいぞ」 「…………そうする…」 「お前も楓も本当に単純で、バカだな」 ( TOPへ △ | ▽ ) |