夢/とあるわんこの恋模様 | ナノ

おまけの段


「で、楓。お前どんな誘い方したんだ?」
「え、普通だよ?男心ってあんまり解んないから、ハチたちに対する感じで誘ってみた」
「……え?つーことは、抱きついたりとか…?」
「さすがに初対面で抱きついたりしないよ。逆に怪しまれちゃうって」
「だっ、だよなー!」
「腕組んだ」
「ですよねー!っこのバカ!初対面でも腕組んだりしねぇよ!」
「最初からは組んでないよ!?最初は普通に喋ってて、お団子奢ってもらって…。町の案内をしてもらってるときに腕組んだの」
「お前っ…。(こいつダメだ…。危機感なさすぎ!あと天然タラシ!いや、…タラシっていうか、甘え上手?)」
「家には行きたくないって断ったんだけどねー…。「お茶だけ」って言われたからついつい…。あはは」
「あははって笑えるかァ!いいか、無闇に男の家にあがりこんだりしたらいけません!これ常識な!」
「は、はいっ。でもいい人だったよ?」
「警戒心を持て警戒心を!無防備すぎだっつーの!お前ほんとに食われるぞ!?」
「食われる…?食べてもおいしくないよ?」
「性的な意味で!」
「……ッ!ハ、ハチの破廉恥!そんな人じゃなかったもん!」
「男っつー生き物は大体そういう生き物です」
「でもハチはそんなことしないじゃん!」
「(そりゃあ我慢してるからな!俺の我慢強さを舐めるな!)」
「三郎も雷蔵も…。勘ちゃんと兵助だってそんなことしない!それに私にそんな魅力なんてないから大丈夫だもん!」
「もー…お前ってほんとバカだよな…。そういった根拠はどっから出てくんだよ……」
「じゃあハチは私と破廉恥なことしたいの?」
「うっ…!(いきなり何言いやがるこいつ!楓と破廉恥なことなんて……)」



『んっ…、ハチ…恥ずかしいよ…。あんまり見ないで…!』

『やだやだ!そんなとこ触らないで!おねッ―――あ、やぁ…!』

『ふわぁ…!そ、それやぁ…!怖い…、怖いよハチィ…!』



「(―――あ、やべ…)」
「ハチ?」
「っできるわけねぇだろ!でも警戒心だけは持っておけ!立派な忍者になりたいならな!」
「わ、解った…。気をつける!」
「じゃあ俺ちょっと厠行ってくる!先に寝てていいからな!」
「はーい!じゃあおやすみ、ハチ!」
「おう!」


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