夢/とある軍人の軌跡 | ナノ

中編への繋ぎ


「小平太」
「お、仙蔵!どうした、任務か?」
「いや、少し暇ができたから来ただけだ。ちゃんと仕事してるか?」
「ああ!毎日動けるのはいいな!気持ちいいぞ!」
「この体力バカ。書類処理はどうした」
「う…。なはは、ぜーんぶ長次に回してる」
「ほう」
「仙ちゃん、顔が怖くなったぞ!」
「全く…、お前が書類処理しないのは解っていたが、だからと言って長次に回すな。長次のところだって忙しいんだぞ」
「だって私ああいったの苦手だ」
「だからお前には簡単なものばかり回しているだろうが」
「椅子に座ってたらムズムズする!」
「はぁ…。……それより最近入った奴はどうした?」
「ああ、あいつなら来てない。多分辞めたんだろ」
「だから…!何故そういったことを報告しない!」
「だってキリがないだろう?解っていたが、なかなか長続きしないな…」
「それはお前が遠慮ないからだろうが。少しは部下のことを考えてやれ」
「特務には体力と力がどうしても必要だから無理だ。…壊れない部下が欲しい」
「ああ、そうだ。それを伝えに来たのだった」
「ん?」
「竹谷がな、特務に異動願いを出した」
「ッ竹谷が!?あいつとうとう私のとこに来るのか!?」
「ついさっき提出されて、即行許可してやった。あとは文次郎の許可をもらうだけだ」
「解った!じゃあすぐあいつを迎えに行ってくる!」
「待て小平太。竹谷はまだ兵站だぞ、焦るでない」
「文次郎がどう言おうが、竹谷が異動願いを出したならもう特務だ!」
「……。行ってしまった…。ま、遅かれ早かれ竹谷が特務に異動になるは解りきっていたことだし、いいか」




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