おまけの段 「やったー、お金貰っちゃったー!ふふっ、どんな薬品買おうかなぁ」 「あ?何言ってんだよ伊作。それ俺たちにくれるんだろ?」 「え?な、何で?というか留さん近いよ…!」 「何でって……何でって何だよ!お前のせいでこんな目にあったって何度言わせればいいんだこの不運大魔王!」 「ちょ、虎徹!唾かかってるよ!汚いから!」 「もっとかけてやろうか、ああ!?」 「ふざけんなよ、何で不運の元凶であるお前が一位で俺らが三位なんだ?あとこのケガは全部お前のせいだからな!」 「確かに僕が発動させちゃったけど…。それを言うなら元凶は文次郎じゃない!?」 「文次郎ォ、俺と勝負しやがれ!今日こそブッ倒してやる!」 「小平太ー、俺ろ組に行きたいっ…。いや、普段だったらこの不運も楽しんだりするけど、今回のは酷くない!?無茶苦茶不運だったぞ!」 「なはは、どんどん虎徹が伊作っくんみたいになっていくな!気にするな!」 「気にするよ!留三郎に比べたらまだマシかもしれない。しれないけどこのままじゃあ…」 「それでも長次に比べたらマシだ!な、長次?」 「……」 「うっわ、すっげぇ沈んでんな。元気出せよ、長次」 「……不破に、申し訳ない…」 「お前ほんと後輩好きだな。俺は今回竹谷と絡むことなかったからなぁ…」 「竹谷だけでなく、どの後輩とも絡んでないだろう?あまり活躍できなかったな、虎徹!」 「お前という奴は…。気にしてることをずけずけ言いやがって…」 「だが小平太が正論だぞ、虎徹」 「もー…出てくんなよ仙蔵。お前出てくると絶対負けるの解ってるもん、色んなことで」 「私たちはそれぞれ五年生に助言をして、学ぶべきものを教えてやった。虎徹、貴様は何をしていた?」 「………小平太、助けて!」 「無理」 「バッサリ切り捨てられた!」 「聞こえなかったようだな。虎徹、貴様は私たちが後輩の指導をしている間、何をしていた?」 「…ぐぬぬ…」 「どうせ森中走り回っていたんだろう?しかも半分キレた状態で。後輩と出会っても何の指導することなく、ただ戦って印を奪うなんて忍びとしてはいいかもしれないが、上に立つ者としては落第点だ。普段から「後輩が可愛い」とか抜かしているが、あれは嘘だったのか?」 「う、嘘じゃ「嘘でなければ何故指導してやらなかった。貴様はいつも口ばかりだな。もう少し考えて行動したらどうだ?無理なのは解るが、多少はマシになる。いや、マシにしろ。毎回戦場実習に行くたびああも暴れられたら私たちにも迷惑が被(こうむ)る」 「…ご、ごめんなさい…」 「この際言わせてもらうが―――」 「あーあ、仙蔵ってば虎徹に八つ当たりしてるねぇ…」 「お前が仙蔵を差し置いて一位になったからな」 「だって運がよかったんだもん!これも尾浜といたからかなぁ…。だって彼って明るいじゃん?」 「あー、そうかもな」 「よし!尾浜にちょっと申し込んでくる」 「は?何をだよ」 「「僕の不運を幸運に変えてくれるのは君です。結婚を前提にお付き合いして下さい」って!」 「バカか」 ( TOPへ △ | ▽ ) |