夢/とある獣の生活 | ナノ

は組最強の段


「伊作ー。毒蛇に噛まれたー」
「マジかよ虎徹!おまっ、もっと焦れよ!」
「えー、またぁ?もう…、じゃあ縛って吸い取って」
「伊作!?お前も何でそんな慣れた様子なんだ?!」
「だって虎徹ってばいつもなんだよ。昔に比べては少なくなったほうだけど…」
「そうそう」
「いや、でも毒蛇だったんだろ?…その、死ぬんじゃねぇの?」
「あれ、留三郎には言ってなかったっけ?俺、毒に耐性あるんだよ」
「ハッ!?初めて聞いたぞ、そんなこと!」
「ほら、俺って一年のときから生物委員じゃん?それで必然と…。まあ虫獣遁の術を使うから便利だよな」
「い、いや…。その……なんつーか…。ほら、伊作もなんか言ってやれよ」
「僕も耐性あるよ。まあ僕の場合必然的に、だけど…」
「ああ、お前間違えて毒草食べたりしてたもんな…」
「でも俺には毒草の耐性はねぇぞ」
「僕も毒蛇とかの耐性はないなぁ…」
「お前ら…もう人じゃねぇよ…」
「そう?でも留さんも耐性あるよ?」
「………え?」
「あ、おい伊作!それは内緒だろ!」
「えっ、……あっ!」
「というのは嘘だ、留三郎。気にするな!」
「気になるわ!お前ら俺の身体に何しやがった!?」
「もー、伊作はほんとダメだなー」
「ご、ごめんよ虎徹…」

「えっと、簡潔に説明されるのと、回りくどく説明されるのどっちがいい?」
「……簡潔に話せ」
「留三郎のご飯にちょっとずつ毒を混ぜてました」
「…」(絶句)
「あ、虎徹。留さん固まっちゃった」
「簡潔にって言ったの留三郎なのになー」
「て、テメェらああああ!俺の飯に何混ぜてんだよ!」
「俺は留三郎が毒で死なないようにと思って、耐性つけてあげてたんだよ!」
「僕は実験を…」
「それで俺が死んだらどうすんだよ!」
「「それは大丈夫。ちゃんと考えてたから」」
「………ッ…!」
「うっわ、めちゃくちゃ怒ってんな。プルプルしてるぞ」
「あ、でもさ、逆を考えればよくない?僕は毒草の免疫はあるけど、毒蛇には免疫なし。虎徹はその逆」
「おう」
「でも留さんは毒草の毒も、毒蛇の毒にも耐性がある。ようする留さんにはどの毒も通用しない!」
「おー、それはいいな。最強じゃねぇか留三郎!」
「そういう問題じゃねぇだろうがこのバカどもが!そこに直れ!説教だ!」
「「えー…」」
「あ?」
「「すみません…」」

「と、聞いていたのだが、もはやは組の三人は人ではなくなったな」
「微量で耐性なんてそう簡単にできるもんじゃねぇだろ…。あの二人、昔からやってたな」
「死なせたくないから。と言えば聞こえはいいものだが、留三郎からしたらいい迷惑だな。ついでだ、文次郎。お前も二人に耐性をつけてもらえ」
「それにお前が関与するなら断る。お前も俺で遊ぶだろうが」
「……っち」
「聞こえてんだよ」





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