おまけの段 「はー…何で僕たちが先輩に説教しなくちゃいけないんだろうね…」 「最後のほう関係ねぇこと言っちまったけどな」 「あはは、喋ると次から次へと出てきちゃったね。おかげで夜遅くなっちゃった…」 「三郎たちは帰ってんだろうな」 「多分ね。あー…ほんと疲れた。なんか精神的に疲れたよ…」 「いい先輩なのは解るんだけど、ちょっと暴走気味になるのがなぁ…」 「中在家先輩、暴走はしないけど、結構頑固だから。でも物事にあんまり興味がない中在家先輩にああやって思ってもらえてたのは嬉しかったかな?」 「まぁ…、犬扱いにはちょっとムカついたけど、虎徹先輩本当に動物が好きだからな…。褒め言葉としてとっておくか」 「でも六年の中だと中在家先輩が一番まともだよね。真面目だし優しいし」 「はっ?何言ってんだよ、雷蔵。虎徹先輩に決まってんだろ。最近またサボりだしたけど、優しいし頼り甲斐あるし…」 「え?八左ヱ門こそ何言ってるの?中在家先輩のほうが優しいよ。いっつも丁寧に勉強教えてくれるもん。相談にも乗ってくれるいい先輩だよ」 「いや虎徹先輩も相談にのってくれるし。後輩もむちゃくちゃ可愛がってて、すっげぇ好かれてんだぜ。お兄ちゃんって感じだもんな!」 「確かに中在家先輩は怖がられてるけど…。でもきり丸や怪士丸、久作はすっごく慕ってるよ!それにお菓子作りも得意で、時間あったら一緒に作ったりもするんだよ」 「いやいや、虎徹先輩なんかいっつも町へ行くたびお土産買ってきてくれるし。後輩に甘すぎだけどいい先輩じゃん!でも裏山に行くとめちゃくちゃ格好いいんだぜ!?」 「ハチは中在家先輩が縄標使ってるとこ見たことあるの?すっごく格好いいんだよ!?的は絶対に外さないし、素早いし。この間教えてもらったときも、説明が丁寧だから解りやすかった!」 「雷蔵こそ虎徹先輩が山犬扱うところ見たことあんのかよ!俺、女だったら絶対ェ惚れてるし!これほど頼りになるって感じたことねぇ!マジで格好いいんだって!」 「中在家先輩のほうが格好いいもん!」 「虎徹先輩のほうが格好いいっつーの!」 「……ハチ、引かないつもり…?」 「雷蔵こそ…」 「言っておくけど、僕が本気出したらハチだって殴り飛ばせるんだよ…」 「俺が本気だしたら雷蔵を山犬で囲むことできるんだぞ…」 「「うちの先輩のほうが格好いい!」」 「……おい、三郎」 「なんだ兵助」 「雷蔵止めろよ。俺、八左ヱ門止めるから」 「まあいいじゃないか、もう少しあのままで」 「だけど…」 「兵助ー、屋根の上で中在家先輩と虎徹先輩が聞いてるの気づいてないの?」 「………あ、いた…」 「だから少し放っておこう。さて、私は先に寝るかな」 「俺も寝よーっと。兵助、帰ろう。あとは後輩が可愛い先輩たちがどうにかしてくれるでしょ」 「う、うん…。……先輩たちもまたケンカしなければいいんだがな…」 「アハハ、多分そうなるだろうね」 「八左ヱ門のバカ!」 「バカは雷蔵だ!」 「長次のアホー!」 「それは虎徹だ」 ( TOPへ △ | ▽ ) |