おまけの段 「こんのバカコンビが!」 「もー、留三郎。大きい声出すなよ、耳痛いじゃん。俺がお前らより耳がいいの知ってるだろ?」 「これが出さずにいられるか!」 「いたっ!ぼ、暴力反対!」 「留三郎が本気で怒ってるなんて、珍しいな」 「……小平太、お前も反省しているのか…」 「もちろんだ!」 「留、俺も反省している。だから正座崩してもいいですか?そろそろ限界…」 「許すか!」 「私も限界だ…!」 「そんなに縛られたいか…?」 「むう…」 「テメェら二人がケンカしようが、どうしようが関係ねぇ…。だが、後輩を放置してまですることか!?おまけに門限ギリギリに帰ってきやがって…。もっと後輩のことを考えろ!」 「解ったって!それは何度も聞きました、反省してます、後輩にも謝りましたッ!」 「お前の言葉は信用できん!」 「じゃあどうすればいいんだよ…」 「小平太…、後輩から苦情がきている」 「苦情?」 「暴走しないでくれと」 「暴走なんてしていないぞ?」 「そう思っているのは小平太だけだ…。もう少しマラソンの距離を減らすとか「細かいことは気にするな!」……」 「途中まではよかったんだよ。後輩たちも喜んだんだろう?」 「おー、それはもうめちゃくちゃ!」 「最後の最後で迷惑かけちゃ意味ねェんだよ!全部台無し!解るか?」 「お、おう」 「一つのことに夢中になると周りが見えなくなるのはお前の悪い癖だぞ!」 「解ったってば…。つか俺じゃなくて小平太が悪いわけであって…」 「人のせいにすんじゃねェ!なんだ、まだ説教が足りねェのか、ああん!?」 「(あ、やば。まじで怒らせた…)ご、ごめんってば…!すみません、全部私が悪かったですっ。明日からはちゃんと真面目に頑張りますから許して下さいっ」 「お前が細かいことを気にしなくても、後輩は気にしているんだ」 「では長次、私にどうしろと言うのだ?」 「明日のマラソンは裏裏山までにしておけ…」 「えーっ!それじゃあつまらないだろう?鍛錬にもならん!」 「…まだ後輩たちが動けそうだったら、また走りに行けばいいだろう」 「…………」 「解ったか…?」 「面倒だ!もし後輩たちが疲れたら私がおぶるから大丈夫!なぁに、いけいけどんどんでなんとかなるさ!」 「……すまん、滝夜叉丸…」 「今度後輩に迷惑かけてみろ。お前らんとこの後輩、俺が全部もらうからな!」 「ちょ、止めろよ!なんだよそれぇ!留三郎が後輩欲しいだけだろ!このショタ野郎!」 「あん?可愛いのは事実だろうが!」 「先に「ショタ」って発言を否定しろよ!お前ガチかよ!」 「いや、この時代に「ショタ」って言葉ねぇし」 「あ、ちくしょう!やられた!」 「バカが。おら、説教は終わりだ。風呂入って寝ろ」 「よっしゃ!……あ………と、留さん…」 「どうした?」 「し、痺れて立てない…」 「はぁ…。忍者のくせに情けねぇ奴だな…」 「なんだなんだ?虎徹、足が痺れて立てないのか?どれ、私が立たせてやろう!」 「ばっ…!おまっ、触んな!」 「えい」 「あひゃああ!や、止めろおおおお!」 「アハハ!面白い鳴き声だな、虎徹!」 「お、おい小平太。止めとけ」 「小平太、虎徹の声が響いてうるさい」 「私は虎徹を立たせてやろうと「それがいい迷惑なんだよ!」 「虎徹もうるさい」 「長次、辛辣ぅ!」 「えい」 「あああああ!触んなバカッ!お前ほんっとバカだよな!犬でもマテぐらいできるぞ!?」 「むっ。私を犬と同じにするな」 「ああ、そうだな。犬のほうが偉いもんな!」 「……今から山での決着をつけるか?」 「いいだろう、今度こそテメェを食いちぎる!」 「来い、虎徹!」 「覚悟しろ、小平太!」 「だからっ、止めろって言ってんだろ虎徹ッ!」 「だから、止めろと言ってるだろう、小平太」 「いでっ!」 「いたっ!」 「長次、小平太連れて部屋帰れ。俺はこのバカを連れて行く。首輪しっかりつけてやるからな…!」 「小平太にも必要だな…」 「うぎゃっ!ちょ、痛いよ留三郎!お願い、髪の毛だけは引っ張らないで!だからって首根っこ掴むのも止めて!」 「ちょーじ!苦しい!息が止まってしまう!」 「「知るか」」 ( TOPへ △ | ▽ ) |