夢/とある獣の生活 | ナノ

おまけ その二の段


「おー、お疲れはっちゃん!ちょっと遅かったね」
「勘右衛門。まぁちょっと大変だったんだよ。つかもう皆戻って来てんじゃん」
「お帰り、八左ヱ門。虎徹先輩はどうだった?」
「まず追いつくことができなかった…。あの人すっげぇ速いんだよ…」
「ああ、獣並みだよな。国泰寺先輩って」
「で、まぁ…。色々あってなんとか援護することできたから補習なし!」
「色々って何があったのだ?」
「色々だよ。あんまり詳しくは言えねぇ!」
「えー、ちょっとぐらい教えてよ!ケチィ!」
「俺と虎徹先輩の秘密だ!」
「「うわ、きもっ」」
「何だと!?」
「あはは!三郎、勘右衛門、八左ヱ門で遊んじゃダメだよ」
「どうせ戦ったんだろ?」
「ギクッ。何で解るんだよ…」
「ケガしてるからな」
「……まぁ…」
「はっちゃんっていっつも戦ってばっかだよねー!でもそのおかげで俺らの中でも体術だけは一番強いもんねっ」
「体術だけはな」
「うるせぇよ兵助!強調すんな!」
「にしてもケガ少なくない?いつもだったらもっと酷いのに…」
「ああ、虎徹先輩のおかげでな」
「また国泰寺先輩の話か…。私はもう聞きたくないよ」
「そう言うなって!つか俺、新しい戦闘方法思いついてよ。それ試したんだけど、これが結構使えてからさぁー!」
「へぇ」
「兵助、もっと興味持ってあげようよ。はっちゃん泣いちゃうよ?」
「俺が興味あるのは豆腐だけだッ!」
「はいはい。で、どんな戦闘方法?まさか虎徹先輩みたいに戦うってこと?」
「いや、違う。虎徹先輩の指笛の音を聞いて動くことだ!」
『ハァ?』
「俺って先輩ほど戦闘経験少ねぇだろ?でも反射神経いいし、力だってある。だから、経験ある虎徹先輩から指示貰ったら結構いけると思うんだ!」
「あー…、なるほど…」
「指笛の指示も身体で覚えてるしよー!」
「八左ヱ門…、お前とうとう人間辞めたな」
「え?」
「どんだけ一緒にいるんだよって感じだよねー!」
「俺と豆腐には負けるけどな」
「で、でもあれだよね。虎徹先輩と一緒じゃないとできな―――あ……」
『あ…』
「……ほ、ほんとだ…!やべぇ、俺バカだ!」
「安心しろ、八左ヱ門。お前は前々からバカだ」
「うるせぇえええええ!」




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